ウニを食べに行ったけれどウニを食べ損ね、それでもそんなにがっかりでもなかった記録。最初の夏に食べたウニほどの感動は、きっともう味わえないから別にいいんだ。はじめて食べた旬のウニは、そりゃもう美味しかった。
小樽を越えて、日本海沿いにドライブすること小一時間ほど。景勝地である積丹岬をめざす人も多いけれど、それよりもっと多いのはウニ食いに行く人々。古平~積丹は、ウニどころ。ウニが旬を迎える夏の間に、一体どれほどのウニが人々の胃袋に収まったのか。考えるとすごい。
が、12月も25日になってから。あるいは12月24日もあと残すところ数時間となってようやく、そうだクリスマスだしケーキ食うかと思ったところですてきクリスマスケーキが残ってないように、そういやウニ食うの忘れてたわ。という頃に、のこのこ訪れてももうウニはない。
海が荒れると船も出せず、船が出せないからウニもないんだってさ。荒天が続いたあとだったから、まぁしょうがない。荒天が続いたから、遠路はるばるドライブする気にもなれなかったわけだしな。近隣のお店にも、“ウニありません“と張り紙が出ていたので、地域一帯でウニが枯渇してたんだろう。
ウニの代わりに、マグロとブリがネタに入ったお寿司、高い奴を食べたので満足。
北海道、それも夏なのにブリとマグロ。どちらも近郊で獲れたものだとか。海流の変化を感じずにはいられない。北極海の巨大氷河が割れても驚きはない。だって北海道でブリやマグロが獲れるくらいだから。マグロ漁船は、南洋のものだとばっかり思ってた。大間のマグロがすぐそことはいえ。
お寿司食べてお腹いっぱいになったあとは、島武意海岸へ。神威あるいは積丹岬まで行くのは面倒くさかったので、近場で済ます。見晴らしもいいけれど、食後の運動を兼ねて海岸まで降りてみた。軽―い気持ちで降りることにしたけれど、結構な運動量。
結構な運動量だったけど、眼前に広がる土曜ワイド劇場あるいは火曜サスペンス劇場で、追い詰められた犯人が自分語りする場面に出てきそうな景色は見応えあり。ザッパーンと勢いある波の音をBGMとして、脳内で勝手に補完してた。
知られざる景勝地に日本でもっとも詳しいのは、土曜ワイド劇場あるいは火曜サスペンス劇場の製作スタッフかもね。かもかも。全国くまなくロケしてそうだし。
ただし、想像としての土曜ワイド劇場あるいは火曜サスペンス劇場で、最後にその手の番組を見たのはいつだったか。もう思い出せないほど昔のこと。最後に見た時は、ストーリーを添え物にした、旅番組の亜種やん、これ。とか思いつつ旅番組として見てた。
神威岬あるいは積丹岬ほどメジャーだとは思えないのに、観光バスで乗り付けた団体旅行客が居て驚いた。旅行会社の人、真面目あるいはマメだな。
海岸まで降りるのもひと苦労な急斜面を降りた海岸沿いの、謎の遺構っぽい何か。気になる。今は失われた道でも、かつてはあったのか。この斜面をわざわざ降りて、何らかの建物建てるなんて狂気、あるいは札束の魔力あるいは権力を感じる遺物。作らせた人のメンタリティは、きっとエジプトのファラオ並みに違いない。
北海道を訪れた観光客は、過去最高だとか。それも納得で、一見辺鄙な場所でも何か観光の目玉になるようなものがあれば、観光客は必ずいる。ウニを食べさせる店も、ずいぶん増えたような気がする。
確実にウニ食べたかったら、シーズン終盤によっこらせと出掛けるんじゃなくて、もっと早めに出掛けましょ。という反省を、来年に生かすかどうかはまた別もの。
お休みなさーい。