クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

埃とケン・ローチとイエスマンと

車道の雪はすっかり融けて、一年でもっとも茶色くて見るべきものもないシーズンに突入。水溜り注意、泥はね注意で、油断ならねぇ。

 

“世界はゴミを送ってくるが、我々は音楽を送り返す”というフレーズが気に入ったので、メモメモ。ドキュメンタリー番組で使われていたフレーズさ。

 

雪が消えつつあるせいか、あちこち地面を掘り返してリニューアル工事中のせいか、埃っぽい。おかげで外出意欲も減退気味。思いがけないところに雪が残っているので、車を使うにはまだ早くて不便。

 

立派過ぎる二本の足で歩けばいいんだけど、それが億劫になる水溜りの季節なのさ。

 

2016年に、カンヌでパルムドールに輝いたケン・ローチ。この機会に旧作も動画入りしないかとポチポチ検索するも、お目当ての作品『大地と自由』にはなかなかお目にかかれない。

 

スペイン内戦を舞台にしたもの。ということくらいしか知らない。スペイン内戦といえば、ヘミングウェイジョージ・オーウェルも参戦したという、ある種の人のヒロイズムを刺激した戦い。その経験が『誰がために鐘は鳴る』や『武器よさらば』、あるいは『カタロニア賛歌』に結実したっぽい。

 

ヒロイズムが爆発した奴はもういいから、もっと違った視点のフィクションが見たいと思ったからのケン・ローチで『大地と自由』だけど、今は見ることが叶わないので、かわりに『麦の穂をゆらす風』を見る。原題も『The Wind That Shakes the Barley』と美しいタイトルに美しく牧歌的な景色には似合わない、アイルランド内戦がテーマだった。。重い。

 

そういやもうすぐ聖パトリックディだけど、アイルランドといえば、アメリカを筆頭に世界中に移民を輩出してる、移民国家。祖国を後にする人が多いということは、祖国が相当に住みにくい場所であったことの証明でもあって、飢饉による食糧難に加え、イギリスからの独立闘争で内戦状態を経験したら、そりゃ住みにくかろ。

 

住みにくかろ、という軽い感想が許されないぐらい、重いシリアスな映画で、不真面目に鑑賞するには不向きだった。ごめん。面白きこともなき闘争の日々をフィクションにしたところで、面白くはならんわな。辛いだけで。後世に伝えたいという、情熱で出来てるような作品だった。監督はきっと真面目。

 

安定は平和への第一歩で、豊かさへの近道。争ってばかりだと国が荒れるだけ。荒廃にも争いにも嫌気が差した人から、故国を後にしたんじゃなかろうか。

 

先に出国した人が居るから、安心して後も追えるってもので。移民大国は、国にとってはいいことではないけれど、それが生き残る道ならしょうがない。

 

重苦しい気分を『イエスマン“YES”は人生のパスワード』で口直し。

 

ジム・キャリーの顔芸がいい。ズーイー・デシャネルの相手役と考えたらイヤだけど。もったない、もったいない、もったいない。

 

すべてにYESで応えていたら、いいようにカモにされて、最後は丸裸にむしられるよ!との警句も込めたコメディでいい。

 

NOと言えば、NOマン!NOマン!と詰め寄られるシーンが怖かった。集団での同調圧力は、コワ過ぎでイヤ過ぎさ。

 

なにごとにもYES、ポジティブな態度で臨んだ方が、いい結果も出やすいけれど、嫌なものはイヤときっぱり断るNOの力、使いどころが大事やね。

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顔芸が、いい息抜きになった。

 

お休みなさーい。