クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

ティア・レオーニがとってもカワイイ『天使のくれた時間』見た

原題は『The Family Man』なのに、どうして邦題はこうなった???ロマンチックコメディ、あるいはロマンス映画らしいっちゃらしいんだけど。

ティア・レオーニがかわいい

ニコラス・ケイジティア・レオーニが、破局したカップルかつ仲睦まじい夫婦役を演じてる。ティア・レオーニが、とにかくかわいい!かわいい!とびっきりキュート!!!

 

2000年公開の映画だから、ファッションその他に時代が出てる。古っと思うところも時々あれど、ティア・レオーニのかわいさで許してしまう。

 

「もう一度人生をやり直す」チャンスを与えられたら、一体どんな未来を選ぶのか。

 破局したはずの二人が仲睦まじい夫婦となってしまうのは、ちょっとした運命のイタズラで、イタズラに他人の人生を翻弄するのは黒人かつブルカラーっぽい青年。

 

ウォール街の高級ペントハウスに住むジャックは、成功した金融マン。バークレー銀行勤務の時に、ロンドン赴任というチャンスを得て、ついには経営者にまでなった人。

 

ジャックの人生の転機はロンドン赴任で、その際に「お互いの未来のため」と、ロースクールに進学するケイトと涙・涙のお別れをした。

 

それから13年。成功を手に入れたジャックは、やり手の経営者となってクリスマスも仕事漬け。いまだ独身のセフレ持ち。家族持ちの社員たちから、クリスマスまで仕事なんて……と文句言われながらも、ハードワークにまい進中。

 

とはいえやっぱり独り身には寂しいクリスマスイブの夜。ジャックは、コンビニで銃を振り回して強盗まがいの騒ぎを起こす黒人青年と知り合い、この青年から奇妙な贈り物をもらう。

 

するとあら不思議。翌朝、クリスマスの朝に見知らぬ家で目が覚めたジャックの隣には、大昔に別れたはずのケイトの姿があって、ジャック大パニック。一夜にして娘と息子、二児の父親となったジャックは、自身のゴージャスペントハウスとは似ても似つかぬ生活臭あふれる、郊外の一軒家で暮らし始める。

 

転生するジャック

やり手の金融マンとしてNYでゴージャスに暮らしてるはずのジャックが、ケイトと夫婦となった“こっち“の世界では、タイヤ会社で働くどこにでもいるフツーのオジサンに転生。

 

どうしてこうなった???と納得いかないながらも、母となったケイトは相変わらずキュートでかわいい。

 

どこにでもいるフツーのおじさんに転生したジャックだけど、中身は最近まで金融の最前線にいた、やり手。当然だけど、アットホームな職場もアットホームで地に足ついた生活にも違和感ありまくり。

 

かわいい妻と子ども、友人に恵まれたアットホームな地域社会に生きるのか、それとも転生前の成功したビジネスマンとして生きるのか。

 

仕事漬け人間が、家族愛や隣人愛に突如目覚めて生まれ変われるものなのか。転生前の記憶も濃厚なまま、異世界あるいは別世界に飛ばされたところで、生き方は早々変わりゃしない。

 

ケイト目線では突然目覚めちゃったジャックは、転生前の生活をケイトとともに歩もうとする勝手な夫。でもさ、ケイトにだって言い分はあるのよ。。というところでまた舞台は反転。

 

あんたは絶対に天使なんかじゃねぇという黒人青年が、気まぐれに時空を歪ませる。

 

『素晴らしき哉、人生』のオマージュ作品

転生後の世界でもそうありたいと願った、元の成功者としての生活に戻ったジャックだけど、そこにはケイトも子どもたちもいない。

 

元々アメリカでは毎年年末にテレビ放送されたという、古典的名作『素晴らしき哉、人生』をオマージュになっているのが『天使のくれた時間』。ついでにウィル・スミスバージョンのリメイク作『素晴らしきかな、人生』も公開中だったね、札幌では。

 

選ばなかったもうひとつの世界の素晴らしさを知った後でも、なお「その生活イラネ」と言えるものか。

 

元の世界ではケイトにはケイトの生活があり、今度はジャックがケイトを「行かないで」と引き留める番。ケイトがジャックを引き留めるところは涙・涙でロマンチックなんだけど、ジャックがケイトを引き留めるシーンは、かなりこっぱずかしい。直視できない。なぜだ???

 

一度は身勝手に恋人を捨てた男、転生という、ケイトが知るはずもない個人的経験を、だから俺たち一緒に居るべきだと押し付けてくるからきまり悪いのか。

 

事情を知らないケイトを、熱情で押して押して押しまくるからきまり悪い。もっとスマートなやり方があるやろう。。というのは傍観者の声で、生々しい記憶につき動かされてるジャックには、自身のカッコ悪さを自覚する余裕もない。

 

あの人が、こんなカッコ悪いことするの???というギャップは、事情を知らないケイトを動かすのにじゅうぶんで、最後はたいへんロマンチックなところに落ち着いてくれる。

 

ロマンチックだけど、ロマンスが生まれるのはこれから。いきなり子持ちになることも、生活に追われることもなし。すべてはこれから。

 

ジャックとケイトと二人にとってのベストを、これから話し合って決めていくんだねという、転生後の世界に縛られないラストを用意してるところが、いい。

 

あんたは絶対に天使じゃないからな!という、他人の人生に勝手に介入して翻弄する、あの青年が用意した未来予想図通りじゃなくてもいいのさ、きっと。

 

他人の人生に勝手に介入して翻弄する、あんたは絶対に天使なんかじゃないから、そこは何度でも強調しておきたい。『素晴らしき哉、人生』のクラレンスは天使っぽいけど、あんたは絶対に違う。

 

家族愛や隣人愛とともに、地域社会で生きろと示唆する青年が、どう考えても家族や隣人とも地域社会とも没交渉っぽいってどうゆうことさ?産めよ増やせよという示唆を、マルチの勧誘っぽく受け止めてしまうのは、マルチやカルトっぽい人たちとの邂逅で迷惑こうむったゆえに歪んだ、あるいはうがった見方をするようになったから。

 

なぜ他人の人生に勝手に介入して翻弄するのが、黒人ブルカラー青年という設定なのか。介入されたジャックは成功した金融マンで、ケイトはロースクール出身の弁護士なんですけど?その辺の寓意あるいは含意まで勝手に想像の翼が大きく広がる作品だった。

 

ティア・レオーニがとにかくかわいくて、それだけで見る価値あり。かわいいかどうかは各自で確かめればいいから、画像はなし。

 

お休みなさーい。