真夜中なのに、窓の外がほの明るいと感じた時は、たいてい吹雪と決まってる。降りしきる真っ白な雪のカーテンに、街灯が乱反射でもしているせいか、明るくなるんだ。
吹雪となった週末だけど、喫緊かつ火急の用があったので、いそいそとお出かけ。翌日の朝食に予定していたフレンチトーストを作るには、牛乳が足りなかったのさ。あら大変。
外に出ると、街中なのにカマクラがいくつも出現していた。車の上にこんもりと降り積もってできたカマクラだったり、吹き溜まりとなったせいだったり。一夜にして景色が激変すると、ただ笑うしかない。
突然の大雪には今でもワクワクするくらい、観光客気分で暮らしてる。
除雪が追い付かず、歩道にも雪がこんもりで、歩道もずいぶんスリムに。踏み固められてもいないので、歩きにくいったらありゃしない。歩きにくいのを確かめにきたから、それでいいんだけどさ。
歩きにくいけど、地下鉄の駅まで我慢すれば、何てことはない。観光客気分がムクムクとわき起こり、つい大通公園まで行ってしまう。牛乳買いに行くついでに大きく寄り道。
LEDの上に積もった雪は、果たして速やかに溶けるのか。雪景色の中のイルミネーションは幻想的だけど、点灯したのかどうかは知らね。吹雪の夜に出歩く元気は、さすがになかった。
ビフォー・アフター。大部分が雪に埋もれてしまってる。
ゆるキャラが愛想を振りまいていた空間も、すっかり様変わり。
断続的に雪が降り積もる中では、落としても落としても降り積もる新たな雪で、どうにもならなさそ。どうにかなっていたら、どうにかした人の尽力に、ただ頭が下がる。
大雪過ぎて、一部のスキー場もクローズになる始末。外国人観光客、特に南半球から来たような人は、満足げに写真撮っていて、気分は同類。物珍しいと思う人の方が、アクティブになるのさ。
中でアートイベント的なものが行われているはずのドーム型のアトラクションも、リアルかまくらに。
こんなところに電話ボックスがあったのかと、普段は気に留めないものに初めて気づく。ビジネス街や繁華街のすぐ近くとはいえ、除雪が入らないこんなもの。ちなみに、あまりにも急な積雪&休日のせいか、ロードヒーティングの効きもイマイチ。ロードヒーティング仕様の道路も、中途半端に溶け残った雪でジャリジャリしてた。
雪の中のクリスマスマーケットは、雰囲気も3割増し。甘くて美味しそうな匂いが漂いまくりで、雪景色の中で見つけたオアシスちっく。
赤レンガテラス前広場も、ライトアップの仲間入り。こちらも、観光客の人がたくさんカメラを向けていた。
ロシアの庶民的な食堂、スタローバヤで、街の人の声を取材した番組を見た。
英雄をドーピングで作り出して何が悪いと言いたげな街の人の声を紹介していて、ドーピング、ダメ絶対な米欧との違いが面白かった。トランプ大統領も歓迎していて、というよりヒラリーさんダメ絶対な感じだった。
米欧にはパトロンとなる企業がついていて、ドーピング、ダメ絶対とフェアな市場にフェアな企業経営とは相性よしだから、ドーピング、ダメ絶対もスローガンとして強さを持つ。
ところがロシアになると、フェアな市場で強さを発揮する企業もフェアな市場もまだ発展途上だから、英雄をドーピングで作り出して何が悪いという意見も強さを持ってしまう。
ひと昔前より豊かになったとはいえ、文化のパトロンとなれるほど強い企業は、まだまだ足りてない街の人の本音が垣間見えて、面白かった。あと、食べ物のことごとくが美味しそうだったところが印象的。多分、外国人にはまだまだ敷居が高いのが、スタローバヤ。だから、ロコの人が遠慮なく「本音」が言えるんだな、きっと。
クローズドな場所で見せた性根が、その人の本当の姿。対面で、口汚いことを言ったとしたら、それがその人の本音で本当の姿。
昇進や正社員というニンジンをぶら下げられたら何でもする人は、ベルリンの壁を越えようとした旧東ドイツの一般人に、迷いなく銃口を向けた旧西ドイツの軍人と重なるんだ。その後でどんなに美辞麗句で飾っても、その言葉は空虚。
あんた、人殺しやんと対面で問われた時、そんな人は一体どんな顔するんだか。良心に欠ける一方で、生活や家族や仲間や趣味への愛に勝る人は、ヘーキで人の生活を踏みにじるから始末が悪い。
見るからにサイコパスな人もイヤだけど、一般人の中に眠るサイコパス的なものが顔を出した時の方が、ずっーと恐ろしいし始末に負えない。
お休みなさーい。