GWに行ってきた、京都旅行記の続きです。
人生の3分の2を京都で過ごした、京都生まれの京都育ち。とはいうものの、
そやかて、山科なんかいったら、東山が西の方に見えてしまうやないの
井上章一著 『京都ぎらい』より引用
と、山科住みの男性からの縁談に泣き崩れるような“ほんまもん”の京都人にはあらず。親戚一同を見回した時、もっともよい場所にお住まい(?)なのは、ご先祖様。墓だけはいい場所にあるんだ。
京都の有名観光寺院やさほど有名でもない神社仏閣の数々。友人に観光案内を頼まれたり個人的趣味もあって、山村紅葉さんほどではないけれど、春夏秋冬を問わず訪れたことがある。桜も紅葉もいいけれど、花粉症の人には特に新緑の京都をおススメしたい。きれいやで。
京都人の中でも抜群の知名度を誇りながら、訪れたことがある人は案外少ないんじゃないかと思える「岩倉実相院」は、新緑の名所として有名なところ。その割に観光客は少なくて、知る人ぞ知るっぽい雰囲気が味わえる。
「岩倉実相院」行きの京都バス(茶色い)が市内を走り回っているので、その名を聞いたことがある人は多いはず。場所は、左京区の北の果て。応仁の乱(!!!)を避けて、現在地に移転してきた現存する数少ない女院御所のひとつだそう。高貴な女性が住職を務めた格式の高いお寺、くらいの理解でいいんじゃないでしょうか。
(格式の高い門)
立派な門をくぐると、疲れ目に良さそうな緑がどどーんとお出迎え。緑のほとんどはモミジで、秋にはさぞ美しい紅葉が楽しめそうな場所。
(憎い演出)
(苔むしたウサギ。苔むしててもラブリー💕)
どこを見ても緑・緑・緑で圧巻。ピカピカに磨き上げられた床に映り込んだ新緑を愛でる、実相院いちばんの見どころである「床みどり」は撮影禁止。現地に行った人しか見られないシロモノなので、ありがたみがある。
(撮影禁止なので、イメージをお楽しみください)
近頃類似商品(?)が出回っているけれど、床に映り込んだ新緑や紅葉を愛でる、「床みどり」に「床もみじ」の発祥の地は実相院です。この手の風流かつ雅な遊びは、高貴な人がいかにも好みそう。
実相院、歴史もあって狩野派の襖絵のような寺宝もふんだんにあるけれど、いかんせん「キラキラ」とはほど遠い場所。雅さよりも、鄙びた風情こそが魅力になっている場所。
比叡山を借景とした、この景色もスバラシイ。抜け感が味わえる場所、京都では意外と少ないので貴重。同じ岩倉は幡枝にある圓通寺の借景も、「借景と申しますのは……」で始まるドスの効いた解説込みで好きだったけど、近年では様子が変わり、以前ほどの魅力がなくなったとか。知人談なので、自分の目で確かめたわけじゃないけどさ。それが世界級観光都市になるってことかと、一抹の寂しさをおぼえた。
こちらの石庭は、市民参加(!!!)によるものだとか。京都市民は趣味のレベルもお高いことで。おそろしいおそろしい。
(どこもかしこも緑・緑・緑で、緑の大洪水)
もうひとつのお庭は、モリアオガエルの棲家。ケロケロと可愛らしい鳴き声が響き渡ってた。
(泡々としているものが、モリアオガエルの巣)
座り込んでいつまでもぼけっ―としていたい場所。すごく落ち着く。新緑に限らず、きれいなもののデトックス効果は絶大だ。
のどかな実相院の周辺景色。岩倉の語源は「石座」か。時間がなかったので不動の滝には寄れず。いつか行ってみたい。
実相院を出た後は、「山ばな平八茶屋」でお昼にする。
立派な門構えのこちらは、400年の歴史がある料理屋さん。現在の当主で21代目だってさ、すごいね。歴史はあるけれど、茶屋発祥なので懐石とはいえ気楽に味わえるお料理が出てくる。名物は、「麦飯とろろ」。
大広間もあるけれど、この日は両親もいっしょだったので、個室で。高野川の清流をながめながらのお食事。
部屋の造作のあちこちに昭和の名残が感じられる部屋だった。平均身長低かったんだね。。という気分が味わえる。
(カッコーンというBGMも味わえる)
たんぱく質多めで食べやすい日本料理でした。デザートの水菓子も美味しかった。GWの繁忙期は、予約を取るのも大変なんですよ。。
ルーツは茶屋だけあって、緊張せずに和食を味わいたい人に向いてるお店。景色もご馳走だった。
長くなったので、続きはまた今度。
お休みなさーい。