クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

『インターンシップ』見た

世界征服だって夢じゃない、グーグルさんの首に鈴をつけるような映画見た。
アマゾンインスタントビデオにて鑑賞。軽ーい気持ちで楽しめる映画はないかと探してたところ、アマゾンさんのおススメに従って見つけた掘り出しもの。『テッド』のスタッフなら間違いなかろうという読み、ばっちりだった。
 
『テッ ド』のスタッフが、Googleインターンになった、IT音痴のオッサンたちの挑戦を描く人生逆転ゲーム!失業したIT音痴のオッサンたちが、 Googleの実習生<インターン>に!ライバルは超エリートたち。6つの難題をクリアして、社員になれるのか!? 
~アマゾンインスタントビデオの作品紹介より引用~
主人公は、40過ぎた文系出身営業マンのオッサン二人組、ビリーとニック。口から先に生まれてきたような二人だけど、デジタル革命には見事に乗り遅れて失業中。そんな二人が、大いなる勘違いのもとグーグルのインターンシップに応募し、何のきまぐれか、インターンになれてしまったところからお話は始まる。
 
 
グーグルといえば、全米どころか世界中から超がつく優秀な学生達が集まる職場。同期のインターンたちはみんな学生で若造。ついでにエリート。そこに混ざったIT音痴のおっさん二人は浮きまくり。
 
 
この二人、グーグルが提供するフリーランチのことさえ知らなかったという設定。グーグルについてよくわかってない二人の目から見たグーグルは、ITと縁のないフツーの人を代弁してるよう。
 
 
スゲー!!!と思うところもマジかよ!?と思うところも素直に共感できる。
 
 
グーグル全面協力のもと、実際にグーグル本社で撮影されたとか。そのせいかどうか日本では劇場未公開。優秀なIT技術者の取り合いをしてる現在、こんなグーグル素晴らしい映画見せちゃったら危険だわ。若者そっちへ行っちゃう。
 
 
グーグルの役職者がなまりのきつい英語で話してたり、インターン生の中にはいかにもギークっぽい学生が混じってて面白い。
 
 
異物のおっさん二人を敵視する、エリート学生の意地悪にも負けずに、がんばる二人。元営業マンだから、口だけは達者。達者な口を生かしてチームメイトをまとめ上げ、課せられた課題に挑んでいく。
 
 
課題の中には”ハリーポッター”ネタも混じってて、「こんなのITと関係ねえ!」と逆切れしそうになったりもするけど、いやいやハリーポッターとIT、大いに関係あるでしょ。ハリーポッター世代の英語圏の子達、ネット上のハリーポッターサイトで交流深めてハリーポッターブームを牽引してた、ネットの申し子みたいな子達なんだから。
 
 
ネット黎明期と違って世界の巨人になったグーグルには、巨人に相応しいスーパーエリート達が志願してくる。このスーパーエリートがスーパー感じ悪いんだな。おいおい”Don’t be evil.(悪をなさない)” どこ行っちゃうんだよと気を揉んだ。

ggsoku.com

 
事実として世界の巨人になったグーグルの立場は微妙。巨人となった以上、その存在がすでにevilなものなんだから。グーグルの本社があり、超高給取りな グーグルエンジニアが多数住むせいで、パロアルト周辺の街はすでにバランスを崩してる。超高給取りにとって快適な街は、ローカルに根差した普通の人には住みにくい。グローバルとローカルに、街も二つに割れていく。
 
 
そんな中、この映画が示したグーグルさんの答え、気が利いてる。グーグルは、ゴッサムシティを目指さない宣言。
 
 
ITが進化した先に待つゴッサムシティを肯定するなら、人類が進歩した意味がない。近代以前の封建社会と同じかそれ以上の格差社会の到来を、グーグルはそのままにはしない。
 
 
頭良くって行動力もある人たちは、お金では動かない。お金では動かない人を動かすひとつの手段が理念。その理念をエンタメに載せて世界に届けようとするグーグルさんは、やっぱり脅威だわ。
 
 
IT大国目指すんだったら、IT企業の巨人カッコいい!!!そこで働く人たち素晴らしい!!!を宣伝する映画、劇場公開にした方が良かったと思うんだけど。公開されるとIT大国を目指す日本として、不都合な真実でも含まれてたのかなーとか邪推するのも楽しい。
 
 
グーグルさん、持ち株会社のアルファベットも設立して、巨人の行く末がますます気になるところ。3年後くらいにもう一度見直したくなる映画。面白かったよ。