クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

蔦の絡まるステキ純喫茶「カフェ・ランバン」

鮮やかなオレンジ色の花が目印、ノウゼンカズラ。満開になったノウゼンカズラは真夏の象徴。

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 どの季節に訪れてもいいけど、蔦の絡まる今の季節にひときわ目を惹くのが、「カフェ・ランバン」。

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tabelog.com

シアター キノからも歩いてすぐの、狸小路と平行する南3条西5丁目にあるカフェ・ランバンは、蔦に覆われた店舗が目印。ここだけこんもり緑がいっぱい。冬になると、蔦も枯れてしまう。

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 基本的に1階は喫煙者向け、2階が非喫煙スペース。時に2階はクローズになってることもあるので、その時は非喫煙者も1階を使うことになる、ゆるやかな分煙スタイル。喫煙者の多い札幌ではありがち。

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 紫煙と暗めのウッディな店内はよく似合う。結構年季の入ったお店(開店は1977年)で、そろそろ開店40周年に手が届きそうな勢い。当時二十歳だった人もそろそろ還暦。1階は特に常連率高し。開店当時はまさか喫茶店で分煙が叫ばれる未来が来るなんて、思ってもみなかったに違いない。

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 (1階の様子。壁面を飾る、意味不明なオブジェ類もステキ。)
 
 
鳩の砂糖壺がカワイイ。色彩控えめな店内で、この砂糖壺だけ色鮮やか。

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 赤い色はよく見かけるけど、こんな色もあったんだねと思うこちらは、長野の民芸品。

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 「鳩の砂糖壺」でヒットしたサイトを見ると、白や青、お揃いの爪楊枝入れまであった。鳩だったのね、これ。

 

ニワトリグッズコレクターな知人のお宅で見掛けて以来、ずっとニワトリだと思ってた。爪楊枝入れはともかく、色違いで揃えたくなるカワイさ。砂糖を入れなくても、部屋に飾りたい。
 
砂糖壺も洒落てるけど、カップ&ソーサーも流行に左右されないステキなものが揃ってる。

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 2階はカウンターメインなので、お一人様でも気兼ねなく利用できる。

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(奥の窓際に、テーブル席あり。)

静かなので、落ち着いて本を読みたい時なんかに、すごく重宝するお店。繁華街にあるお店は、やっぱりどこも賑やか。BGMやお喋りの声、賑やか過ぎると気も散るけど、ここならそんな心配もなし。
 
珈琲は自家焙煎と飲み物がメインで、ケーキのようなフード類もごくわずか。でも、それでいいと思えるお店。

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今の季節は蔦の絡まる外観が、ひときわフォトジェニックなこのお店、過去には都市景観賞も受賞している。店舗デザインは、今映人氏。
 
かつて札幌で人気のあっ たお店のことごとくをデザインされた、ローカル有名人。今はなき名喫茶「北地蔵」の店舗デザインも手がけた人。元々家具デザイナー志望だった人だけに、 どのお店の椅子も座り心地がいい(あるいは良かった、北地蔵とか)。

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 「きのとや本店」に「宮越屋本店」に「ロックフォールカフェ」と、ここもあそこも、今映人氏がデザインしたお店は数多い。宮越屋と縁が深いらしく、日本橋三越にある宮越屋の店舗デザインも、今氏がデザインされてる。
 
そう聞くと確かに、あーなるほどと思える共通したトーン。特に椅子とテーブル。とんがった主張よりも居心地の良さで、記憶に残る。
 
今はなき北地蔵、最初に足を踏み入れたのは観光で札幌に遊びに来た時だった。喫茶店には珍しいオープンキッチンスタイルで、大好きだった。現在は閉店してしまい、跡地は別のお店になっている。
 
辰野金吾にヴォーリーズに武田五一。著名な建築家が作った建築物を見ておおっこれが!と感銘を受けるのと同じレベルで、今映人氏がデザインした店舗だと思うと有り難みが増す。時期限定地域限定で、ローカル有名人が作ったもの。もうしばらく、残るといいなと思う。
 
とんがった主張を感じるお店、例えば東京有楽町の「ストーン」なんかも忘れがたいお店だけど、居心地の良さで「そうだ、カフェ・ランバン行こう」となるお店。サードプレイスとか名付けなくても、居心地のいいお店はずっと昔から人気者。お店と一緒に年を取っていく固定客に支えられてる。
 
お休みなさーい。