クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

桜は日本のコンテンツナンバーワン

木蓮の蕾もまだ固いままの北国住まいなので、本物の桜はまだ見てない。
ネット越し、Twitterやインスタグラムやブログで、百花繚乱の桜景色を楽しんだ。
 
 
千鳥ヶ淵の、目黒川の、哲学の道や蹴上インクライン
東京タワーやお寺やお城との共演。
雨に濡れる桜、ライトアップされた夜桜。
桜並木もあれば、野原にぽつーんと立つ一本桜と、桜景色も多種多様。
 
 
桜が一本あれば、普通の住宅街だって一気にフォトジェニックで特別な景色に変る。
思い出に残る桜をテーマに何か書いて下さいと言われれば、誰だって何かしら書けそうなくらい。
 
 
桜、日本の景色に馴染み過ぎ。
 
 
ネ モフィラの青い花が一面に広がるひたち海浜公園は、秋には真っ赤なコキアに覆われる。となみチューリップフェアではチューリップが主役。芝桜に、ひまわり に菜の花に。「花」でも人が呼ばれるとわかってからは、街おこしや地域おこしに「お花畑」が使われることも多くなった。そういや巾着田曼珠沙華で有名に なったね。彼岸花、どっちかっていうとネガティブイメージのある花だったから、彼岸花畑はなかなか衝撃的な景色だった。
 
 
ただ花を植えるだけでも内外からお客さんを呼べることがわかったので、国内でも続々と「お花畑」が増えた。アジアからの観光客も多いけど、中国のような広大な国が本気で「お花畑」を観光の目玉にし始めたら結構脅威。中国では菜の花畑が人気らしく、江西省の菜の花畑はとにかくだだっ広い。写真や画像で見ただけだけど、東京ドーム5個分のひまわり畑と比べてもだだっ広い。おまけにあっちは桃源郷テイストで攻めているので、コンセプトでも負けそう。
 
 
桃源郷を上回る、アジア人なら皆あーソレ知ってると思ってもらえるようなコンセプト、果たしてあるのだろうか。竜宮城だと局地的すぎて、勝負にならない、土地面積が広大で、世界一の人口を誇る中国が、せっせと花を植え出したら単なる「お花畑」では日本、特に地方でやってるお花畑は苦しいものがある。ただのお 花畑では苦しいから、イングリッシュガーデン風に凝ってみたり、テーマパーク風にイベント化してみたり。やり方は色々あるけれど、規模でも資金量でも勝る 後発に真似されたら太刀打ちできない。あららどうしましょ。
 
 
そこで、桜ですよ。
 
 
桜 は木に咲く花だから、1年2年では立派な桜並木にはならない。寿命が短いと言われるソメイヨシノでさえ、寿命40年から60年。何十年かけて桜の名所が出 来上がる。年々どこの桜もきれいに見えてしょうがなく、加齢のなせる業かと思っていた。でもどうやら、桜が名所になるお年頃を迎えてるせいもあるみたい。
 
 
北 国をのぞけば、大体どこの市町村にも桜並木はある。市町村が出来た時に桜を植えたところも多い。ニュータウンがオールドタウンとなり、街の老化が目立つ頃 に名所となって、桜がますます美しく咲き誇る。美しく咲く桜に誘われて、ひとり静かに花見酒を傾ける人も居れば、連れだって花見に繰り出す人もいて、おか げで普段よりちょっぴり消費も上向きになる。
 
 
ただ植えればいい一年草と違って、桜は名所となるのに時間がかかるから、本場の桜を楽しみたかったら現地に行くしかない。スカイツリーにお寺にAkihabara。いかにも日本的な風景に桜が加わるとさらにエキゾチックだから、外国人にはきっとウケる。
 
 
イ ンドから来た親子が、地面に散った桜の花びらを手のひらにすくい、すくっては投げを繰り返して花吹雪で遊んでた。昔住んでた街の、どうってことのないありふれた公園での景色。桜舞い散る桜吹雪、毎年見ていても足を止めて眺めたくなるほど魅力的なんだから、初めて見た人にはもっとインパクトがある。
 
 
時間をかけないと出来ないものと、古来から親しまれてきたその土地由来のものが、最強のコンテンツ。花見なんて、いつからあるのかわからないくらい古い習慣で、いつからあるのかわからないくらいだから、いつまでも続く普遍的なものにもなり得る。
 
 
紅葉は外国にもあるけど、桜だったら日本はワールドチャンピオン。
 
 
GWを過ぎないと咲かない北の街にも、桜の公園を作ろう計画が進められている。雪という、北国最強コンテンツもいつかは飽きられる。ここは是非ワールドクラスのコンテンツとなるよう、だだっ広い桜の公園を期待したいところ。