クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

関西弁と上方言葉は全然違う

3月に入ってからの方が、天気が悪くてうんざり。去年の今頃の写真を見ると、ずいぶん雪がたくさん積もってる。今年はやっぱり雪が少なかった。

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(先月の写真、今はこんな感じじゃない)
 
関西を離れて軽く10年以上経っているので、今関西ローカルなテレビ局がどんな番組を流してるのか、よく知らない。よく知らないけど、ローカルテレビ局が自主制作できているのは、情報バラエティとニュース番組だけ。そんな状態は、どこの地方でも変わらないんじゃないかな。
 
 
地方でもドラマは見れるけど、そのほとんどは在京キー局が制作したもの。多分例外が昼ドラで、それをのぞけばローカルテレビ局には連続ドラマを作る機能は備わってない。
 
 
視 聴率が取れるドラマを作ろうと思ったら、まず視聴率が取れそうな女優・俳優を呼んでこないと作れない。ところが視聴率が取れそうな女優・俳優サイドは、地 方に拘束される理由がない。地方局だとギャラも少なそうだから、労多くしてヒットする見込みも薄い地方局に、肩入れする理由がない。キー局が制作したドラ マを再放送してる方が視聴率も取れる。
 
 
地方局制作のドラマをあまり見掛けないのは、その辺りが理由なんだと思ってる。視聴者はキー局制作とはいえドラマを見てる。ドラマを作らないテレビ局が損してるのは、ドラマを作らないことで他人を感情で動かすノウハウを失っていること。
 
 
しみじみとした情感にも人は動かされる。でも、感情で人を動かすノウハウを持っていないと、脅しすかしで笑わんかい、怒らんかいになりがち。
 
関西ローカルな番組が、「居丈高な大阪のオッサン」だけに占められてるように見えるのが、本当かどうか確かめようがない。アクの強い笑わんかい怒らんかいスタイルが、もっともウケる。だからそのスタイルに収斂していっただけ。そう考えることもできる。
 
 
居丈高な大阪のオッサンが使う、威圧的で粗暴な態度。それが、関西を代表するものだと思われるとムッとくる。東京だって山の手に住む人と、下町に住む人とでは、使う言葉が違う。同じことは、関西でも全国どこでもあてはまる。
 
 
落語家の桂米朝師匠ひとりが出演する、「味の招待席」という番組がかつてあった。10分にも満たない短時間の情報番組で、サントリー提供だった。名店の美味し いものを紹介する番組。米朝師匠が、実に美味しそうに品よく美味しそうなものを紹介していた。大人になったら是非こんな店に行ってみたいもんだ、そう思い ながら、平日はほぼ毎日目にしてた。飯テロのはしりみたいな番組かも。
 
 
月曜~金曜の22時になる前のほんの10分間。世間でどんな事件が起ころうと、繰り返し美味しいものの紹介を続けていた。
 
 
落語家の名人によるグルメリポートだから、美味しさもマシマシ。懐かしくなると時々youtubeを見てたけど、著作権がらみで現在は全ての動画が削除されてる。削除するんだったら、DVD化してよ。
 
 
1980年から1992年まで。関西人もどんどん標準化していって、きれいな上方言葉を話す人も減っていってる中でほぼ毎日耳にしていた、正統派上方言葉。脅しすかしで笑わんかい、怒らんかいだけが関西の文化ではないと、誰に教えられなくても、番組から教えられていた。
 
 
ユーモアをもって、スキャンダラスでも脅かすでもなく礼儀正しく、世の中には美味しいものがあるよと語りかける。関西にはそんな文化もあるよと伝えるには、今は落語が足りない。
 

 お休みなさーい。

 

ほぼ1年前に書いたエントリー、過去にはこんなことも書いてたのねぇとお蔵出し。

めざすは飛行機のギャレー - クローズドなつもりのオープン・ノート