クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

ライトの弟子が設計した「ろいず珈琲館旧小熊(おぐま)邸」

各地から梅が咲いた、早い所では桜が咲いたとの声が寄せられるなか、まだ雪が残るここは札幌。

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もうそろそろ、雪景色ともお別れかな。こちらの「ろいず珈琲館旧小熊(おぐま)邸」は、もと北海道帝国大学農学部教授、小熊捍(まもる)博士のご自宅だった建物。別の場所で老朽化、解体の危機に瀕していたものを、ここ藻岩山ロープウェイ近くに移築し、現在は喫茶店になっている。
 

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高台の不便な場所にあるけれど、週末はそれなりに混み合っている。坂道なので、凍結してると車を乗り入れるのもちと怖い。
 
 
ステンドガラスになっててもおかしくないような、幾何学的な窓ガラスが特徴的。設計者はフランク・ロイド・ライトの弟子、田上義也氏とのことで、どことなく写真集で見るようなライト建築っぽい。

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昭和2年に建築だから、天井は低くないけれど梁が低い。昭和初期の人でも、まだまだ背は低かったのねと実感できる。
 

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ドアや照明などの一部は、当時のものをそのまま使っているとか。優美なドーム型のこちらの照明も、当時のものか???ステキ。

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クラッシックが控えめに流れる静かな店内では、おしゃべりを楽しむグループや、静かに本を読む人の姿などが。雪の季節には、若干ここまで来るのが大変(というか億劫)になるけれど、雪の季節にこそ訪れたい雪景色が広がっている。そこが魅力。

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飲み物の他は、ケーキやパンメニューといった軽食が中心。この日は「りんごトースト」にしてみた。中途半端に小腹が空いている時には、こういうメニューが嬉しい。バタートーストの上に煮リンゴを載せた、シンプルなメニューで美味しかった。

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高台だから、見晴らしがいい。梅が咲くのはGW。雪も消える3~4月がもっとも色彩に乏しい季節で、イメージとしては茶色い。茶色い季節に突入したので、撥水加工のレインシューズが欠かせない。
 

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札幌市内にも、歴史的建造物といっていい、ステキな洋風建築がチラホラと残っている。その多くが個人宅で、現在も居住されてたりするのでカメラを向けるわけにはいかない。元教員宅など、少なからず北海道帝国大学に縁があるもの。近代化を歩み始めた時代においては、知識は力で、お金になったんだと実感する。バブル経済発生以前の京都では、長者番付の上位は本業の他に文筆業で稼ぐ京大の先生でもあった。力だったら、まんべんなく個人に行き渡る方が、個人が強くなっていいんじゃないの、と思う。
 


ろいず珈琲館 旧小熊邸 (Lloyd's Coffee) - ロープウェイ入口/喫茶店 [食べログ]

 
お休みなさーい。