北のウォール街として栄えた街だけあって、小樽には歴史的建造物がいっぱい。
小樽運河から歩いてすぐの距離にある、HOTEL VIBRANT OTARUも、かつては北海道拓殖銀行の小樽支店だった建物。
北海道拓殖銀行、通称たくぎんといえば、かつては都銀のひとつで、1997年に経営破綻した時には、都銀としては戦後初の破綻として大きなニュースになった。
たくぎんに山一証券に三洋証券。不良債権という言葉が連日新聞やテレビを賑わしていた。1997年は、潰れるはずがないと言われてたものが次々に破綻した、歴史的転換点ともいえる年でしたねぇと、ここで渋茶すする。
しゃこ祭りで冷えた体を温めようとお邪魔したのがこちらのカフェ。もとは銀行だった建物を生かした、アンティークなカフェになっております。
天井高っ。
大正12年に建てられたそう。この柱はコリント式?ドーリア式?(それしか知らない。)小樽経済絶頂期に建てられたらしく、ふんだんにお金を使って作られた名残りがそこかしこに。
権威は建物から。昔の金融機関は、どこもたいそう立派な建物でございますこと。
床には、魚やヒトデが泳ぎ、海のそばにあることを静かにアピール。結構年季の入った床は、ホテルとして生まれ変わった時に改装したものか、それともなのか。銀行時代からあっても驚かないほど、意匠のことごとくがステキ。
待合用のベンチ。
排気口な訳はない、謎の建造物。呼び出し用のスピーカー?セントラルヒーティングの一部?
今となっては知る由もないけど、アクセントになっていて面白い。
道をはさんだ向かい側には、かつては三菱銀行小樽支店だった建物が。
現在は小樽運河ターミナルとして、小樽の老舗洋菓子店の『あまとう』やぱんじゅうの『桑田屋』なども入る商業施設として利用されている。
そちらのビルも歴史的建造物に指定されてるだけあって、見所あり。
カフェの二階にはキャットウォークが。残念ながら上には登れず。
小樽ゆかりのアーティストの作品を展示するギャラリーとして、オープン真近でした。
こちらのカフェでは、やっぱり小樽で人気の「館」のケーキも食べられるけど、お腹いっぱいだったため、大人しく紅茶をすすってた。
カフェの奥がホテルのフロント、そして客室となっている。お手洗いを借りに奥へと進んでいくと、客室部分も大変よい感じのアンティーク仕様でした。
最新の設備というわけにはいかないけど、アンティークな雰囲気が好きな人には魅力いっぱいのホテル。現在は単なる飾りかもしれない貴重品入れも、貴重なアンティークだった!
天井が高いせいか、静かで、体が温まるまで遠慮なく長居することができた。建築探偵となってホテル内をめぐりたい。そんな場所だった。
小樽も坂の道。坂を登ったその先が、駅。
小樽紀行その1はこちらのエントリーへ。