クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

人間らしさ、ファースト

雨が降ったおかげで、蒸し暑さもひと段落。久しぶりに青空の広がる一日だった。

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一見単純なストーリーでも、深読みしようと思えばいくらでも深読みできるもんだね。『アナと雪の女王』を観た、男性たちのレビューが面白かった。
 
 
音楽がステキだった、絵がキレイだった。ついでにオラフ可愛い。そういう表面的なところで十分に満足してたこの映画に、コンプレックスを刺激される人もいると知って新鮮だった。スイッチ入っちゃったので、書いてみた。
 
 
考 えてみれば近頃のディズニー映画は、「おんなこども」の独占物から脱却して、「全ての階層」の人がターゲットになってる。言ってみれば「ヒューマン」全て がターゲットになってきたから、従来の「男らしさ」「女らしさ」に縛られて、「その人らしさ」が確立されてないと価値観ゆさぶられるのかも。
 
 
あの映画でどの男性キャラが一番好きかアンケート取ったら、やっぱりオラフが一番になりそう。ただそれは「カワイイ」だけが理由でもないはず。
 
 
アナのために暖炉に火をつける雪だるまのオラフ。夏に憧れてのんきに、「夏にできることをなんだろうとやってやる」なんて歌ってた。いや、君は雪だるまだから。。夏が来たら融けちゃうから。。
 
 
自分は融けても、誰かを助けたい。ついでに、アナを大切に思っているのが誰かも教えてあげる。何なのこの人類愛あふれる行為。最も人類愛にあふれたキャラが、人外ってどういうことなの、ディズニー。
 
 
「ヒューマン」全てがターゲットとすれば、最も人類愛あふれたキャラが魅力的に見えるのも道理。オラフ可愛いよ、ステキだよ。
 
 
でも、オラフは人類愛の象徴だから。人類が愛の対象かもしれない彼は、現実的なパートナーたりえない。人類が愛の対象となる誰かとはタッグを組めそうだけど。
 
 
そしてクリストフ。一人でも生きていける、個として自立・自活してた彼の世界が、アナの登場で少し広がった。もしもアナ雪に続編が作られるとしたら、クリストフにももっとヒーローらしいストーリーが用意されるのかも。
 
 
クリストフもオラフも、アナやエルサに比べれば、個として完成されてる。両者とも、ゆらぎが少ないキャラだから。
 
 
完成された個よりも、不完全な個、欠落のあるアナやエルサを個として完成させる方が、この映画において優先された。そう思えば、アナとエルサの姉妹愛がよりクローズアップされる展開だったのも納得。何てったって今や「ヒューマン」がターゲットですから。個として自立・確立させることが、何てったって一番大 事。
 
 
不完全な個をアシストして、個としての自立を促す存在としてのクリストフ。そういう風にも見えた。俺についてこい系じゃないとご不満、あるいはそんなに不安になるものなんですかね。
 
 
不完全な個をアシストするクリストフは、じゅうぶんカッコ良かった。
 
 
自分の世界があるクリストフのような人を、全く違う世界に放り込むのはどうなのよ。という「個」への配慮があっての、氷切り職人続行という見方もできる。
 
 
クリストフがもっと積極的にアナの世界に関わろうとしたら、氷職人から王室メンバー入りという別のお話もありえるのかも。
 
 
いずれにしてもこの映画でも、王子様であるハンス、「権力に近そうで遠い」人物の腹黒さは際立っていて、教訓になる。誘惑の多い、堕落に繋がりやすいポジションなんだね。
 
 
男だから。女だから。そうした性差を超えて、「個」として求められる存在か否か。そっちの方がずっと重視される時代には、できるだけ速やかに個を確立した方が、幸せへの近道になりそう。オラフみたいに。
 
 
では、良い週末を。お休みなさーい。