クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

風信子

その香りを感じたら、春が近いなーと思う花のひとつがヒヤシンス。漢字で書くと「風信子」になると知った時はたいそう感動した。香りの強い花で、そこにヒヤシンスがあることを教えてくれるのは風や空気だから、うまいこと言うなーって思ったんだよね。名は体を表してるなって。

(画像引用元:青山フラワーマーケット
 
 
反対に、どうしても意味が了解できなくていつまでもしっくりこないのが「雛罌粟」。これを「コクリコ」と読むのも納得がいかないし、この字がポピー、ヒナゲシを表してると言われても、全然ぴんとこない。かろうじて「雛=ひな」だけあってるけどさ。
 
 
コクリコの花がヒナゲシと知らなかった時は、もっとこう”カクカク”っとした、そんな花があるのかどうかもわからないけど、えっラフレシアも花なの?って驚くレベルでどっしりとした、質実剛健タイプの花なんだろうと勝手に思い込んでた。
 
 
だっ て、4文字しかない単語の中に「コ・ク・コ」って3文字もカクカクした字が入ってんだもん。それが、ヒナゲシのようなたおやかで儚げな、吹けば飛ぶような 可憐な花のことだなんて、フランス語ではコクリコはヒナゲシの事だって予備知識がないと、ちょっと思いつかないし読めない。
 
 
そんでもって、ヒナゲシが「第一次世界大戦における犠牲の象徴」っていう豆知識だけ持ってて
ああ皐月(さつき) 仏蘭西(フランス)の野は火の色す君も雛罌粟(こくりこ)われも雛罌粟(こくりこ)
を眺めた時、あぁこの歌は、成算なきなんか無謀なことに挑戦しようとしてる「われ」が、フランス五月革命でむなしく散った「君」を悼みつつ、そこに自らの姿を重ねてるのかなーとか思ってしまう。
 
 
この歌、実は情熱的な恋の詩だったんだよね。ちぃーとも知らなかった。与謝野晶子には「君死にたもうことなかれ」もあるしさ、半端な豆知識だけあると、どんどん妄想が暴走していっちゃうんだよね。
 
 
豆知識は豆知識、例えば「きんぽうげ」はバタカップないしバターカップくらいにとどめておかないと、半端な知識で全体眺めようとすると、訳わかんないことになっちゃう。
 
 
文 字で書かれたもの、あるいは文章って、どーとでも取りようがあるところが面白くもあるし、”無意味の意味”みたいなものも好き。でも、そんな意味には取っ てほしくない時、勘違いされたくない時は、できるだけ簡潔に、いっそ箇条書きでもいいくらいシンプルに伝えた方がきっといいんだよね。
 
 

お休みなさーい。