クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

豆腐百珍

今日もめちゃ寒い一日。かといって厚着し過ぎると、室内は結構温かいから、頭が働かなくなって眠気が襲ってくる。対処の難しいシーズンに突入したわー。

 

日本に留学経験があって、羊羹好きなトルコ人から、「日本のテレビ番組、朝から晩まで食べ物の話してるね。日本人ほんと食べること好きだねーHAHAHAっ」って昔笑われたことある。

 

言われてみれば確かにそうで、日本のテレビ、朝から夜中まで途切れることなく料理(食事)関連の話題が続く。世界三大美食の国トルコでは、美味しい物は食べて楽しむもの、日本は見て楽しむに比重傾き過ぎに映ったんだね、きっと。

 

今やってるNHKの朝ドラ「ごちそうさん」も、何か食べ物関係みたいだし、朝の人気情報番組、あさイチと花まるでも料理及び食べ物がテーマとなることしょっちゅうあるし、いまだにキューピー3分クッキングやってるし、上沼恵美子のおしゃべりクッキングもやってる。

 

お昼や夕方の情報番組では、今人気の〇〇(パン屋・ケーキ屋)というテーマで、わざわざ出掛けてまで食べたい食事処が繰り返し紹介されてる。

 

平日夜9時からは、きょうの料理やってるし、深夜ともなれば食べ物テロともいえる、孤独のグルメみたいな実写ドラマまで放映される始末で。

 

長寿番組だけじゃなくって、サラめしやキッチンカーがゆく、みたいなその時々で人気となる番組もあって。局を問わず、湯けむりグルメ紀行番組に素敵海外グルメ番組もひっきりなしに放映されて、そういやアド街も、街紹介といいつつ食べ物屋の紹介は欠かせなくって。

 

あらまぁ、ほんとに朝から晩まで食べ物関係の番組やってる。そしてそのほとんどを、あぁアレねと、わかってしまう自分が恐ろしい。食い意地張り過ぎ。

 

これはきっと、飽食に奢ったバブル時代の名残りなんだ!バブル恐ろしい!勝手にそう思ってたけど、どうもそういうわけでもないみたい。

 

豆腐百珍』という、江戸時代の料理本、豆腐を使った料理百品を実際に作ってみた本読んでると、江戸時代でさえ料理本が500冊も出版されていて、驚いた。200年半とちょっと。初期と後期は騒乱で、食べ物にうつつを抜かしてる場合でも無さそうだから、実際は料理本が隆盛を極めたのって、もっと短いのかもしれないけど。

 

それにしても、よくぞ500冊もと感心する。日本人の食べ物好き、DNAに組み込まれてるんじゃね。

 

江戸時代初期は獣肉も盛んに食べられていて、カワウソとかも食べたんだって。ひよわな街育ちとしては、カワウソなんてUMAと殆んど変わらないから、それ食べてたなんて、ほんと日本昔話の世界。

 

現代みたいに輸送技術も発達してなければ、鎖国で異国の料理とも縁遠そうなのに、ほんと、一体何食べてたんだろーって謎深まるばかり。

 

精進料理、お菓子の本、それに南蛮渡りのテンプーラやカステイラなんかはそれなりに根付いてたのかも。しかしそれでは500冊にも届きません。江戸時代にも、栗原はるみや藤野真紀子みたいな、あるいはケンタロウみたいな人気料理家のレシピ本がすでにあったんだろうか。

 

江戸時代の『豆腐百珍』、実際に包丁を持つ料理人ではなく、文人(篆刻家がその正体では?と言われてるみたい)が趣味で書いた本で、その筆名を「醒狂道人何必醇(せいきょうどうじんかひつじゅん)」っていうらしい。

 

酔狂ならわかるけど、醒狂、はっきりと覚醒した状態でってタチ悪。でも、その醒狂のおかげで、「今出川豆腐」や「黄檗豆腐」なんてレシピを前に、一体何がどーなったら「今出川」で「黄檗」やねんって、現代でも頭ひねれる。今出川は胡桃の産地(炒った胡桃使ってる)でもあったんですかねー。黄檗と言えば萬福寺。油通しした豆腐をしょうゆと酒で煮る調理法は、普茶料理の流れですかねーとか、昔の醒狂な人、現代に続くネタをどうもありがとう。

 

豆腐百珍 (とんぼの本)

100種作るに挑戦しようかとも思ったけど、100品並べるために、かなり無理くり入れたよね、ソレ。みたいなレシピも結構あって、創作意欲はわかず。

でも、今週は節約を兼ねて豆腐いっぱい食べる予定。

 

お休みなさーい。