クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

Keep Plodding On

Keep Plodding On ~ゆっくりでも歩き続けたまえ。

今日読み上げた本に出てきた言葉。「たまえ」ってかなーり上から目線な言い方だけど、これ、作中ではWWⅡ下のイギリス首相、ウィンストン・チャーチルが言ったことになってるから、上から目線でもしょうがないかって納得しちゃう。

 

読み進めるうちに、色々ひっかかって考え込んで前に進まない。そんな難しいお話し読みたい気分でもなく、かといって簡単すぎても退屈する。そんなわがままな願望をもとに選んだのが、『チャーチル閣下の秘書』。

 

時代設定が第二次大戦中と何となく激動の予感。しかも主人公は実在の人、ウィンストン・チャーチルの秘書(秘書自身は非実在、モデル有り)という設定で、虚実入り混じったお話しが面白そうだったので、お買い上げ。うん、なかなか面白かった。『鷲は舞い降りた』をもっとカジュアルかつ女性の登場頻度めいっぱい増やしたような、娯楽冒険小説でした。

 

主人公は意識高い系女子で、飛んで火に入る夏の虫とでもいいましょうか、騒動巻き込まれ型ヒロイン。英雄とか豪傑に憧れて、そういう人に求められて満足するようなタマじゃないの。戦時下で職業選択の余地が無い人いっぱい居るのに、私ならもっとって思ってる、意識高い系ヒロインの言動にアイタタタって心の傷えぐられたわ。

 

チャーチルってダミ声なんだよね。ノンフィクションの番組で声聞いた事あるけど。ロマンスグレーとは対極にあるような「老いぼれの取るに足らない戦争屋」のおっさんなの。ほんとに取るに足らない人だったかどうかは既に歴史が証明してるけど、上品とはいい難い立ち居振る舞いからそう呼ばれてたみたい。

 

きれいで華やかなものが好きで、友達や、友達以上恋人未満の同僚とキャッキャと楽しくやるのがとても似合ってる主人公なんだけど、そんな風にフワフワ過ごしてもいられない状況下で、大変な目に遭いながら立場に目覚めていく。そんなお話しで、既に2作続編も出てるらしい。

 

続編も読みたい。カジュアルに難しい時代を取り上げつつ、当時の人がこー考えたかもなーって追体験できるところが面白かったから。

 

そんでもって、激動のWWⅡ下の国際社会を舞台にした、とっても偉い人が出てきたり、マハタリばりのスパイ出てきたり。そういう冒険小説女の子成分多目な話って絶対どっかで読んだことあるって思ったら『カーリー』だった。昔懐かし少女小説のかほりもする、高殿円の小説。洋の東西で、同じような設定の話を楽しめるなんて、何か得した気分だわー。

 

チャーチル閣下の秘書 (創元推理文庫) カーリー <1.黄金の尖塔の国とあひると小公女> (講談社文庫)