クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

10万人の観客呼ぶのは大変

日本一ってタイトルで書こうと思ったけど、よく考えたら日本一じゃなかった。

 

でも日本一と聞いて思い起こすのが、去年札幌で見た日本ハムファイターズの優勝パレード。リーグ優勝はしたけど日本シリーズは逃したんだんだよね、確か。よく知らないけど。その辺をたくみにぼかした「優勝パレード」にたまたま居合わせた。

 

ほんとにその日はたまたまJR札幌駅前に居て、連休初日(確か)だけあってさすが人多いな~と思ってた。そしたら紙吹雪が舞いだした。パレード用のバスがゆっくり動き出して、そのバスに乗った選手達が、沿道に詰めかけた人に手振ったりしてた。

 

すごい人出だなーと思ってたけど、翌日のニュースでは10万人が詰めかけたってなってた。10万人ってどうやって数えたんだろーってまず思って、たまたまその場所に居合わせた、パレード見に来てるわけではない、私みたいな人はどう扱われたんだろーとも思った。

 

公共交通機関の乗降客数から出てきた数字なのか、10万160人って妙に中途半端な数字になってたし。データって正確なようでいい加減で、わかることってほんのちょっとしかないんだな、と今も思う。

 

わかることは、お出かけしてた10万人がお昼ご飯食べたり、お茶したりしたら、すごい額のお金が一日で動くんだなってこと。大勢の人を集めるって、やっぱりものすごいことなんだって思う。大量の紙吹雪だってお掃除するにはお金かかるし。いつでもきれいに見える場所は、きれいな状態をキープするために相応の対価かけてるもんだし。

 

札幌って観光都市なんだよね。よそ(近所に住む人は逆にわざわざ出かけたりしないから)から来た人にお金落としてもらわないと、都市としてのインフラ、例えば公共交通機関だって、維持できなくなるかもしれないから、都市に限らずお金稼ぐの大事よね。

 

そんで、例えば4千本安打達成したイチローが来る講演会か何かで、10万人集まるかというと、何か無理そう。イチロークラスになると、テレビやネットでいっぱい露出してるから、キャー!って手を振るためだけに、わざわざ出かけてくるとは思えないんだよね。

 

じゃあなんでファイターズのパレードにたくさん人が集まったかというと、「チームに声援送りたい人が、チームを見る、最適の機会だった」からかな、と思った。ファン感謝デーにわざわざ出かけるほどではない、ライトなユーザーが、何かアクションを起こしたい気持ちを表すのにちょうど良かった的な。

 

大人になったらわかること。その1に、「良いチームに恵まれることはまれである」があるんじゃないかと思ってる。

 

名監督が居て、エースが居て、守備と打線が噛みあって、メンタルやフィジカルを支えるコーチやフロントなどの裏方さんが居て、あとそんなチームに惜しみない声援を送るサポーターがいて。時には派手に野次ってくるアンチなんかも栄光への原動力には欠かせないかもしれないし。

 

そんな、素晴らしいメンバーに恵まれましたって言いきれるような瞬間は、多分ほとんどの人には訪れない。もっといい監督(=上司)が居ればとか、うちのエース(=稼ぎ頭)頼りないとか、逆にエースはがんばってるのに打線泣かず飛ばずとか。エースと監督の仲悪くて雰囲気最悪とか。色んな要因で、ベストからほど遠い組織に居ることがほとんどじゃないのって思う。

 

例え、これってちょっとすごいんじゃない?と思うような、ベストメンバーに恵まれたとしても、怪我で故障する人出るかもしれないし、素晴らしい人は引き抜かれるかもしれないし。経営陣の資金ショートして、待遇悪くなったら生活かかってる人から抜けちゃうし。「今が最高の時」って実感した翌日から解体始まったりするから、ベストメンバーがベストコンディションで闘える時期ってほんとに短い。短くて滅多に無い奇跡に近いことなんだって、大人だったらわかる。

 

そんな風に、がんばってる姿をずっと見てたわけじゃないから、10万人のパレード見た時も、最初は「へー」としか思わなかった。経験からしか学ばない愚者だから。

 

最初はベストではなかったかもしれないメンバーも、場数踏むうちに強くなって、サポーターの声援も大きくなって。準備期間も考えたら年単位で時間かけて。

 

後から振り返った時に、「その中の何かひとつでも欠けていたら、今の自分達はありませんでした」って言えるようなもの全てが揃って。

 

それで栄光つかんで万々歳。そんな、夢みたいな光景を見るために、一生懸命手振って声援送って。あの時あの場所に私も居ましたって言いたくて。たくさんの人が集まって来るんじゃないかと思う。