クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

腕を振るう場所がない

昨夜は「ブルームーン」だった。別に青いわけじゃなくって、数年に一度しか見られない珍しい満月で、次は2016年5月まで見られないんだって。

 

おとといの月もかなーり明るかった。昨夜もまんまるお月様が雲に隠れながら、時々顔のぞかせてた。

 

半年ぶりくらいにデパートのコスメカウンターで買い物してきた。もういい歳だから、ダメージくらったらきっちりメンテナンスしないと回復しないようになってきた。今年の夏も猛暑だったし、日中は乾燥の激しい環境にいるから、どー考えても肌ズタボロだったので、ちょっと高級かつ高機能な「何か」を求めて行ってみた。

 

化粧品は「指名買い」がほとんどで、普段はネットで最安値品を買ってる。だから、カウンターでBA(ビューティーアドバイザー)さんに相談しつつ何かを買うのは久しぶり。彼女達は「おすすめ上手」なので、どの美容液買うか迷ってたら、まずはお試しになりませんかー、お時間あったらお肌診断やってみませんかーってカウンターに座らされた。

 

最近の化粧品はケミカルな説明(〇〇という成分は△△に効いて~みたいな感じ)必ず入るし、必要成分だけでは購買意欲動かないの知ってるから、「癒し」「リラクゼーション」みたいな説明も必ず入る。

 

ナノって言葉が最も頻出するのは化粧品の世界かもしれないと思うし、「日本の有名医大を出た人が海外で専門医の資格取って、好奇心で漢方勉強してて趣味はアロマテラピーでーす」みたいな、なんのこっちゃよーわからん和魂洋才な説明が続く。プラチナの専門家が聞いたら膝から崩れ落ちるようなことも言っちゃうし。

 

これでいいのか日本の化学教育とは全然思わないまま、気が付いたらメイクは落とされ、顔にはペタペタいろんなもの塗ったくられたあげく、顔にローションパック用のマスク載せられて、「お顔少し後ろに倒して下さいねー」って顔仰向けにされて、そのままの姿勢でいるようお願いされた。

 

「お時間ありますかー」に大丈夫ですと答えたものの、ここデパートの1階なのよね。椅子に座ったまま顔だけ上向けてるの辛かった。この姿を知り合いに見られたらどうしようとも思ったけど、まぁ顔は全く見えないから問題はなかった。

 

BAさん、「時間に余裕あり」と言質とってるから、嬉々としてマッサージとか止めない。気持ちいいけど。通常使用量の3倍くらいたっぷり使ってあれこれ処置ほどこしてくれたんだもの。そりゃお肌もモチモチになりました。私は半年くらいかけてチマチマっと使っていこうと思ってんだけど、そんな使い方したら1か月くらいしかもちません。

 

そのままスッピンで帰るわけにもいかないから、「お化粧も直していきますねー」って、今度はフルメイク始めるし。あの、BAさん達基本お化粧濃いんだよね。あれ、BAさんだから通用するお化粧であって、アパレルとかを除けば一般の会社ではNGになると思う。だけど、嬉々としてそういう「フルメイク」ほどこしてくれちゃう。

 

おかげでビジュアル的には普段の3割増しぐらいおメメぱっちりだったけど、本人的にはマスカラがダマダマするせいで視界がきかず、ものすごい見ずらかった。

 

かなり長時間になってしまったので、こりゃ美容液1本くらいじゃ悪いかもって思って、恐る恐る「じゃぁ、口紅もお願いします」って言ったら、「今回使用したのは秋の新色なので、まだ未発売なんですよー」って言われて心底ほっとした。

 

「長々とお邪魔しまして」って言ったら「いいえーこちらも思う存分やらせて頂いて楽しかったですー」って満面の笑みだった。ほんとに満足そう。

 

ま、メイクや化粧品が好きで、好きなメイクや化粧品の話ができて、かつたまには好きなように存分に人の顔いじり倒すことができたら、そりゃ楽しいし、BAになった甲斐もあったもんだと思うよね。なかなかそんな風に「存分に腕をふるう」機会なさげだし。デパートのコスメカウンターに座ると、BAさんの気迫に負けて余計なもの買いそうだし、安くもないし。同じような理由で、デパートでは化粧品あんまり買わないって人増えてそうだから、BAさんも腕をふるう場所がなくて大変。

 

だから、自分の顔パレットにしていろいろお試しするから、独特のBA風お化粧になっちゃうのかも。キラキラさせるのが好きなんだろうけど、普通の人にはちょっと過剰すぎて、真似するにはためらいを感じるような、過剰さあふれたものになってるの。

 

まだ関西にいた頃に、髪切ってくれてた美容師さんはメイクの仕事もしてる人で、関西ローカルのテレビ局とか、雑誌の撮影なんかにも行ってる人だった。

 そういうキラキラした人との接触が実際にある人だったから、絶対にそうなれそうもない普通の人へのアドバイスが上手だった。

 

雑誌だったり、テレビだったり。そうしたところで映えるメイクはステージ用だから、普段からそんな濃厚なことしなくてもいいって言ってた。がんばりすぎると疲れちゃって、面倒だしいいやってなるの、よくわかってたんだと思う。

 

お化粧好きで人の顔いじるの好きで。できれば人の顔いじれる機会が多い方が好きだから、「こうした方がいいよ」って言いながら、同じように楽しめる人増えたらいいなって感じだった。その人になら、髪型のこととかメイクの相談とか、気楽におしゃべりできて楽しかった。基本面倒くさがりなので、あの人に「楽しいよ」って感覚教えてもらわなかったら、きっと今も面倒くさいのままだったなと思う。