デコボコのない歩きやすい道を、ただテクテクぽてぽて歩いているだけでは筋肉はつかない。雪で滑って転ばないよう気持ち踏ん張り気味で歩くと、普段は使わない筋肉まで使うせいかただ歩くよりも疲れる。
疲れるなら普段よりも消耗しているということで、疲れない・負荷がかからない状態では筋肉なんかつくはずがない。
道なきところに道を作る作業と、手入れされているかどうかはともかくすでに出来上がった道をブラッシュアップさせる作業は全然違う。二度目三度目ともなれば手法は洗練されて、見違えるようにきれいになって当たり前。
ここ、手入れできない状態で放置しておいてすまんかったな。これからきれいにするんでよろしく。と、鶴のひと声でもあって改修に入るならなおさら、きれいにならないはずがない。
よろしくとすまんかったで、お金が動いて人が動く。
そういう人物を擁していると何をやるにも作業は倍速あるいは三倍増しで捗って、たちまち形になる。
道なき場所に道を作る作業はだから、お金が動いて人が動く。そういう人物に最終的に繋がるよう道を作る作業にも似て、とにもかくにも出来上がった道なのに人通りもまばらで手入れもおざなりあるいはなおざりなのは、お金が動いて人が動く人物にまで繋がらなかったか成長できなかったからなんだ。と、見ることもできる。
お金が動いて人が動く。そういう人物に繋がらないから倍速・三倍速で作業がはかどることはない。だけど、鶴のひと声でお金と人が動く。そういう人の二倍・三倍の時間、あるいは世代を重ねると、やっぱり道はきれいになって洗練されていく。
お金が動いて人が動く権力のトップ、いってみれば玉座を手に入れるための最短コースはライバルの皆殺し。だけどすべての敵を亡き者にして手に入れた玉座では、人がついてこないし味方が育たない。
道なきところに道を作り、作ったあとの道はただ荒れ果てるのみ。という状態だったら、想像するのは玉座だけを目指して邁進し、手に入れた玉座(権力)を生かすことなく腐っていった新興勢力。勢いだけで権力が手に入ることもあるけれど、手にした権力を活かせないから荒れ果てる。
お金を動かし人を動かすことが目的だから玉座(権力)を狙うのなら、敵は作らない。ライバル皆殺しで和解まで二世代三世代が必要で、停滞が待っていることがわかっていたら、特に。
敵を作らず権力を手に入れると、何かあってもよろしくとすまんかったで済んでしまう。そういう人物が出現して、何をやるにも倍速・三倍速でものごとが進み、あっという間に立派な道が出来上がる。
人通りが多くて手入れが行き届き、いつも立派な道はだからやっぱり立派な人物に繋がっていて、倍速・三倍速で作業を進めたい人だらけになるからいつも騒がしくて落ち着きがない。そう考えると、商業施設が進出してくる場所がいつも似たような場所になるのも納得する。
普通あるいは低速でゆっくり歩んで行っても、最終的には同じ地点にたどり着く。
いつも騒がしく落ち着きがないのはノーサンキューだから、急ぐ人と急がない人とはだから、役割が分かれていくということでもあるのかも。かもかも。
急ぎ過ぎて壊れてしまった人を、順次ゆっくり歩む人の側に組み込みながら。