クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

ソーシャライトの逆襲かパワーエリートの逆襲か

二月は逃げるで、オリンピックも閉会し三月はもうすぐそこ。花粉も梅の開花も遠い世界のお話で、まずは雪解けから。レインシューズが活躍する季節が待ち遠しい。

 

情報の集まるところにお金も集まるから、銀行かIT情報サービス系か。情報がより多く集まるのはどちらかといえば、そりゃもう一目瞭然さ。ワンストップは便利な反面、相手にはこちらの情報も筒抜けと思えば、薄っすら気味が悪い。

 

金髪碧眼の欧米系セレブリティと一緒だとさほどでもないけれど、ナイスバディでブロンド美人のイヴァンカさんが、アジア系の中に一人だといやもう目立つったらありしゃしない。

 

ブロンド美人は「頭カラッポ」の代名詞でもあるから、政治家の妻には向かないとボーイフレンドに振られるところから始まる『キューティ・ブロンド』。

 

リーズ・ウィザースプーン出世作で、構えずに楽しめるコメディの良作ながらAmazonはリーズがお嫌いなのか、オスカーも獲った『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』も、Amazonビデオでは見つからず。

 

キューティ・ブロンド』を始めて見た時は、西海岸育ちのリッチで無邪気なお嬢様が、頭でっかちで感じの悪い東海岸エリートの巣窟、ハーバードロースクールに殴り込みという痛快なストーリーが、ただ面白かった。

 

西海岸と東海岸。お勉強秀才とリア充のミーハーと。相性が悪そうなもの同士を同じ土俵で戦わせてみたら、意外や意外、お勉強秀才集団はリア充のミーハーに歯が立ちませんでした。という、庶民の願望をしっかり踏まえてる。

 

リーズ・ウィザースプーン演じるピンクのお嬢様エルの武器は、負けん気の強さに加えて、彼女のリア充ネットワーク。ソロリティという、大学の社交クラブで培ったネットワークが、ここぞという時の切り札にもなってた。

 

ついでに、知る人も居ない東海岸で彼女のよき友となるのは、ネイリストでヘアスタイリストってところも見逃せない。おしゃれ大好きで身なりに気を使う女性あるあるで、リッチな女性が階級の違う普通の女性とどこで親交を深めるのか。よくわかってる。

 

エルの同級生はみな意識高い系だから、難民問題や貧困の解消といった、世界共通の社会的課題の解決に興味や関心が傾きがち。一方のエルは愛情たっぷりに育ち、学生時代も謳歌したタイプだから、興味や関心も等身大。

 

同時代に生きるエリートが最下層の人々に熱いまなざしを注ぐ一方で、真ん中の人はすっ飛ばす。その、すっ飛ばされがちな真ん中の層を、エルのネットワークは巧妙に拾い上げる。

 

友愛で結ばれたネットワークの前に、新しい世界の扉が次々開いていく。鍵となるのは友愛だから、「繋がっとけば有利」という打算や功利が入り込んだ時から、ネットワークは変質する。嬉しいや楽しいというポジティブな気持ちで繋がったネットワークは強く、ネガティブな感情で繋がったネットワークほど脆い。

 

キューティ・ブロンド』を今見返したら、お勉強秀才というパワーエリートに対し、ソーシャライト(Socialite)の勃興、あるいはカウンターと見ることもできそうだけど、何しろAmazonビデオ化されてないので、確かめられず。

 

ソーシャライトとは、ざっくり言えばお金持ちの家に生まれ、その生まれ育ちを生かして社会的に活動する人のこと。黙ってても大金、腐らないお金が転がり込んでくる階層の人は確かに存在するんだから、その種の人にしかできない活動をしてもらうのは、ある意味合理的。

 

その種の人にしかできない活動とは、コネを生かした社交生活。コネの前に開く扉があれば、躊躇なく開くのもソーシャライトの必要にして十分な資質で、エルはその資質を存分に生かして大活躍してた。

 

本来は友愛で結ばれたネットワークだから、功利や打算でのみ形成されたネットワーク持ちのソーシャライトが、社会に悪影響を与えるのはいかがなものか。という悪しき例が増えた時が、ソーシャライトの見直し時で、お勉強秀才集団であるパワーエリートの逆襲が始まる時。

 

と、考えると今日も明日も明後日も平和に過ごせる。

 

お休みなさーい。