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クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

哀しきダークサイドストーリー『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』見てきた

Amazonプライムで半年間にDLした件数105件は、多過ぎるのか少な過ぎるのか。購入実額が瞬時にはわからないところが、ステキ設計。

 

今年映画館で最初に見た映画は、『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』。3D字幕バージョンで見てきた。

 

スター・ウォーズシリーズ初のスピンオフ。さて、どうして今さらスピンオフだったのか。

 物語の舞台は、『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』の少し前。銀河全体を脅かす帝国軍の究極の兵器<デス・スター>。

無法者たちによる反乱軍の極秘チーム<ローグ・ワン>に加わった女戦士ジン・アーソは、様々な葛藤を抱えながら不可能なミッションに立ち向かう。

その運命のカギは、天才科学者であり、何年も行方不明になっている彼女の父に隠されていた・・・。(映画公式サイトより引用)

 ジョージ・ルーカスが、“スター・ウォーズの世界には、別の形で語られるべき物語がある”といったからスピンオフ誕生。とはいうものの。

 

本家スター・ウォーズは、基本敵も味方もトップオブトップな戦士たちによる物語。ダース・ベイダーにルークにハン・ソロレイア姫にオビ・ワンに。キラッキラのスター戦士による夢の競演が見どころとはいえ、現実の世界は世界人口の半分の富がたった8人に集中する超格差社会

 

トップオブトップ「だけ」が活躍するストーリーだと、庶民置いてけぼり。庶民とトップオブトップをつなぐ、ミッシングリンクが『ローグ・ワン』。というわけで、ローグ・ワンでは訳アリやならず者が大活躍。社会は善男善女だけで出来てるわけじゃない。そう考えると、すっきりさ。

 

舞台は、最終兵器<デス・スター>も完成間近な、帝国軍勝利が着々と近づきつつある頃。共和国再建を願う反乱同盟軍は劣勢にあり、反乱軍内部も混乱のさなかにある。

 

空転する民主主義か、統率された独裁か。さてあなたならどっち側につきますかね?という状況のなか、ひょっこり連れてこられたのが訳アリの女戦士ジン・アーソで、ジン・アーソが、帝国軍に対する反乱同盟軍最後の切り札

 

ひょっこり反乱同盟軍のアジトまでジンが連れてこられるまでに、ひと波乱もふた波乱もあって、加速つけて物語も進行するので、見ていく方も必死さ。

 

正直一回見ただけでは、細部まで把握するのは無理。

 

何度も何度も早戻しして早送りしながら、細部まで把握したいマニアへのファンサービスに、満ち満ちてた。何度も映画館に足運ぶより、早く動画で見たいっす。

 

ダース・ベイダーは出てくるけど、それ以外のメンバーはすべてニューフェイス。この映画だけのお付き合いで、設定や世界観は本家そのものながら、本家を彷彿とさせるキャラも皆無。由緒正しいスピンオフでした。

 

まったく馴染のないキャラ達のなかで、一番のお気に入りは警備ロボットのK-2SO。あと盲目の戦士チアルートと、チアルートと相性ぴったりな野武士っぽいベイズが特に好き。主役級より、脇役の方が味もあればキャラも立っていたのが印象的。

 

予想外の大活躍を見せるチアルートに、警備ロボット兼戦略家でもあったK-2SOとの切ない別れのシーンと、どの場面でもお別れのシーンばっかり印象に残ってる。

 

戦う映画なのに、あるいは戦いの映画だからと考えるべきか。別れが切なく、美しく、描かれていた。

 

ジンを「もう走れない」と見送った育ての親のソウ・ゲレラを筆頭に、反乱軍のキャラはそのほとんどが“ならず者”。帝国軍に勝利するために、暗殺や謀略といった汚れ仕事に手を染めてきた者たちの、最後の闘いが繰り広げられる。

 

終わりよければすべてよしで締めくくるためか、彼らが手を染めた悪事も流した血も、最後の奮戦がすべてをクリアーにする。汚名とともに生きた彼らに、最後に用意されたのが勇者としての死なら、そこにはただ哀しさしかない。

 

本家スター・ウォーズが持つ爽快感や高揚感とは無縁の、ただやるせない物語が展開し、名も無き無名の戦士たちの屍が築かれていく。あぁ無情。

 

肉親を奪われ平和な暮らしを壊されたという“戦う強い理由”があるジンと違い、ならず者の彼らは、負け戦を前にしては、もう戦うための強い理由は持ちようがない。だから、ジンが先頭に立つしかない。

 

誰が見ても戦うための真っ当で強い理由を持つジンが先頭に立つから、ならず者もついて来れた。反乱軍の負けが確定すれば、彼らがやった汚れ仕事も意味を失くす。人生を無意味なものにしないための戦いは、ただ虚しくて、大義を失くした戦いの無意味さも、くっきりはっきり明らかにする。

 

スローガンとして掲げた大義が正しく美しいほどに、ハイ負けた!ハイ解散!では済まないのが人生さ。

 

勇者として美しい死を迎えられる彼らは、むしろ幸せだったのかも。かもかも。負け戦に突っ込んでいくくらいなら、勝ち馬に乗ってストームトルーパーやデス・トルーパーに商売替えしようかと考えるのも、大義なく生きる者の知恵さ。そんなキャラが出てきたわけじゃないけどね。念のため。

 

無数の無意味な死を経て、最後にたどりつくのは“振り出しに戻る”のコマ。『スター・ウォーズ エピソード4/新たなる希望』に、あらら見事にたどり着いちゃった。

 

これは、意味なく死んでいった、銀河の星屑となった人たちへのレクイエム。鎮魂曲だから、意味なく死んでいった人の魂に、安らぎあれとの願いがこもってる。

 

死者に安らぎあれできれいに幕引きする、その神の視点にむかっ腹が立つ者には、フォースの加護があるのか、それとも暗黒面に堕ちるのみか。

 

本家スター・ウォーズよりダークで、単純明快なストーリーの影には複数のダークストリーありと捉えるのは、より複雑な世界観を表していて、それなりに好き。哀しくなるけどね。

 

死にざま、を考えさせる映画。

 

お休みなさーい。

waltham7002.hatenadiary.jp