クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

写真撮影不可の羅漢寺は、面白おかしさ満点のお寺だった

年末に来る地震は迷惑度も5割増しで、取材に答える人の優しさが不思議。プライドだけはエベレストより高い人は、謝罪を受け入れない相手も、恥をかかせた相手のことも決して許しはしない。性格悪っ。性格の悪い人には、「身から出た錆」という名言をプレゼント。悔い改めよ。

 

年の瀬をガン無視して、マイペースに耶馬渓旅行記の続き。

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 青の洞門をウロついたあと、目に飛び込んできた奇妙な景色。あれはいったい何だ???

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結構な急斜面に建ち、山を切り開いたとおぼしきお寺の名は、羅漢寺。大化元年(645年)まで起源を遡ることができる、現住職で27代目という由緒あるお寺。こんな辺鄙な場所にあるのに、戦国時代には戦禍に巻き込まれてるところが歴史の不思議。

 

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リフトで楽して拝観することもできるけど、苦労の多い道が極楽浄土への近道と思う人のためか、急峻な山道を登って拝観することももちろんできる。

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羅漢寺で途中下車可能。そのあとは山頂まで行くことも、羅漢寺で下車することも可。

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写真で見るより切り立った斜面で、特に山頂に近くなるほど角度も急。高所恐怖症の人にはやや厳しい道のり。細く険しい山道を行くか、頼りなげなローテクをたのみにするか。どっちもどっちな選択ではあれど、踵のある靴を履いていてもダイジョーブな、ローテクを頼る。

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たどり着いた羅漢寺は、写真撮影禁止。

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たいへんフォトジェニックかつインスタ映えする光景が山盛りではあれど、なんせせまーい山寺。写真を撮るのに夢中になる人が増えれば、事故も多発しそうな場所。なにより聖域だ。

 

ということで、ネットにはあんまり情報は落ちてない場所だけど、とってもユニークで、昔の人のねじのぶっ飛び具合がよーくわかる場所だった。

 

だいたいこういう僻地にある寺院というのは、往時の人にとっては数少ないエンターテイメント施設でもあったりするので、いろいろぶっ飛んでる。

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こんな所まで掘らなくてもええで。こんな所にこんなもの作らなくてもええで。というブツがいっぱいのワンダーランドになってる。羅漢寺なので、羅漢像もいっぱい。しゃもじもいっぱい。しゃもじは絵馬の代わりだそうで、“願い事を救う”んだって。はぁさようですか。。

 

穴掘ったり、庭園作ったり。龍の石像もあり。

羅漢寺に攻めあがってきた時、この龍の目から光が発せられ、これにより将兵は力を失い、寺は焼き討ちをまぬがれたといわれます。

http://www.rakanji.com/ 龍の石像 より引用)

 キリシタン大名大友宗麟の攻撃を、その龍が退けたとか。こういう与太話大好き。物語、あるいは伝説の根源あるいはデマの根源に触れてるようで、笑える。

 

こんな山まで、攻める方も寺を築く方も、ご苦労様なことで。という感想しか出てこない、見晴らしのよさ。防御力、大事ね。

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(山頂の展望台から見た景色)

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(山頂の庭園? ちょっとした広場になってた)

青の洞門もそうだけど、昔の人の執念恐るべし。

 

よそにあってうちにはないから、うちにも欲しいという、他者や他の地域との比較で生まれたものでなく、ここでなければならなかった。ここに寺を築くという執念、一歩間違えれば怨念が、敷地内の隅々にまで行き届いていた。

 

僻地にあるユニークな寺社仏閣は、この場所に築くという執念込みになってるから、今見ても面白い。技術が稚拙な分は情熱でカバーで、大量の羅漢像のように物量で勝負したり、世界もびっくりなお堂建築で勝負したり。何と闘ってたんだ。。という情熱の残滓が、ヘタウマやブスカワイイに通じる、アンバランスな魅力になってる。

 

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これは石造りの眼鏡橋耶馬渓橋(オランダ橋)。現在でも普通に車が通行できるところに、いちばん驚いた。

 

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中津は、お城もある旧城下町だから、名所旧跡のたぐいが京都ほどではないにせよ、思いがけずにイロイロ残ってる。1世紀前は荒地でしかなかったであろう、北海道の景色を見慣れていると、歴史の重みが感じられていい。

 

期待しないで行くと、楽しめる。桜の木もチラホラあって、桜の季節もまた、よさげだった。

足を運んでみたら、意外と見るものがあって喜べる系の場所に、来年も行ってみたいもの。

 

お休みなさーい。