クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

元は学者さんの書斎だった『インソムニア』

札幌に今も残る歴史的建造物のうち、北大が帝国大学だった時代にルーツを持つものが結構ある。桑園にあるこちらのお店、『インソムニア』もそのひとつ。元は北海道帝国大学の教授の書斎(というより書庫)だったとか。
 

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レンガ造りの建物で、見るからに「蔵」っぽい。出入り口が最もかつての蔵っぽさが濃厚だった。
 

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扉を開けると白壁がお出迎え。左手に、内部へと続くドアがあり、そちらを通って中へと進む。中は二階建て。階段を上っていくと、現代風にリノベーションされた、ステキ空間が広がっていた。

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蔦の絡まる外観も、雰囲気があってステキ。
 

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きっと元は蔵だったんだろう。そう思ってお店の人に聞いてみたら、「元々は北大の教授だった人の書庫だった」建物とのこと。
 
学長だったか学部長だったかまでつとめた、とにかくかなり偉かった、粘菌関係の研究をしてた人らしい。二階には本を並べ、階下はサロンのように使い、いろいろな人が出入りしてたとか。
 
 
ここ桑園エリアは、JR札幌駅からもひと駅。実験農場を横切れば、北大への通勤へも徒歩圏内の場所。現代だって、アカデミック寄りの話題を楽しくみんなで共 有できるような手頃な場所、なかなかありません。ひと昔もふた昔も前は、そんな場所をアカデミックポストの人が自前で用意してたんですかね。

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(こちらが一階の様子。)

熱海かどこかにも避寒用の別荘を持っていて、厳しい冬はそちらで過ごすこともあったとか。内部が頑丈なのも、多少の留守にも耐えられる仕様のせいなのか。高等教育が「いい生活」に直結していた、古い時代のお話ですね。このエピソードを聞いてる間、脳裏にはなぜか『ガンダーラ』が流れてた。”何処かにあるユートピ ア、どうしたら行けるのだろう♪”がリフレイン。
 
 
こちらのお店、夜にはアルコールも出すダイニングバーでもあります。カフェ時にしか行ったことはないけど、フォーもメニューに並んでた。軽い食事もとれるようなお店なので、ハラヘリ時にも心強い。

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いちごのパンナコッタと紅茶。ケーキもあり。座り心地のいいソファ、まぶし過ぎない窓からの明かりのおかげで大変居心地がいい。元は書斎と思えば、静かに本を読むのにもピッタリ。
 

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桑園エリアは、元々は一面の桑畑だったとか。札幌に長い人からすると、なーんにも無かったんだよといわれるような場所は今、マンション街になってる。

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イオン もあるせいか、桑園は総じてファミリーな雰囲気がある。スーパー銭湯たまゆらの湯」もあり。そんな中で珍しく、『インソムニア』は大人の雰囲気に満ちたお店。
 
 
冬になると行くのも大変になるけど、しんしんと雪の降り積もる中で、ただ静かに過ごしてみたいと思わせるところ。

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壁なんかも元書斎らしく簡素で、お店っぽくないところがとってもいい。写真撮るわけにはいかないけど、トイレにびっくり。シンプルにまとめたお店の中で、最もクリエイティビティが爆発してた。
 
 

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お休みなさーい。