クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

普通に面白かった『ランブリング・ローズ』

今年のオスカーノミネートに、懐かしい名前を見つけた。


ローラ・ダーン(Laura Dern) のプロフィール - allcinema

デヴィッド・リンチ監督「ブルーベルベット」、あるいは「ワイルド・アット・ハート」で有名になった女優さん。彼女が主演した「ランブリング・ローズ」という映画が、一時期かなり気にいってた。
 
 
戦前のアメリカはジョージア州を舞台に、ローズという風変わりな女性を描いた映画。3人の子供がいる家庭に”お手伝いさん”としてやって来たローズは、過去には体を売って生計を立てていたこともあって、性に奔放。その奔放さで、保守的な街に混乱を巻き起こす。
 
 
DVDの表紙でも胸の大きく開いたドレスを着ているけれど、自身の性的魅力をアピールすることを全くためらわない女性として描かれていて、とてもキュートで可愛らしかった。
 
 
性的には奔放だけど、性格は子供のように無邪気で、少女の部分を残したまま大人になったような人。子供のようではあるけれど、妙な包容力もあって、危なっかしい魅力にあふれてた。
 
 
街 だけでなく、思春期を迎えた長男バディを擁する雇い主、ヒアリー家でも波紋を巻き起こすローズ。困ったちゃんなんだけど、憎むには無邪気すぎて、気が削が れるタイプ。そのバックグラウンド、言動からもっと疎まれてもおかしくない人なのに、最後まで魅力的な女性として肯定的に描いていた。女性が性に対して奔 放な姿を赤裸々に、それでいて品よく温かく見守るように描いてるから印象に残ってる。
 
だいたい、14歳〜18歳くらいの若者なんて、脳内の98%はエロいことを考えている。
そんなもんなんですかね。とはいえ制限されてるものだから、ロマンがかきたてられるのはわかる気がする。「ランブリング・ローズ」でも、制限されてるはずのものが気前よく披露されるものだから、憎み切ることも愛しきることもできずに混乱する、男性陣が面白かった。性に対する飢えや渇望が赤裸々でした。
 
 
タイトル通り、ローズの一生はそぞろ歩きするように気まぐれに満ちていた。気まぐれに生きた困ったちゃんだけど、愛に満ちた一生を生きた。この映画そのものが、風変わりな人への肯定感にも満ちていて、ステキ。Stay weird Stay differentのメッセージを、優しく伝えてる。
ランブリング・ローズ [DVD]

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