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クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

『里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く』読んだ。

里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く』を読んだ。
里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く (角川oneテーマ21)

里山資本主義 日本経済は「安心の原理」で動く (角川oneテーマ21)

 

 経済成長の鍵のひとつが「人口ボーナス」にあるのなら、これから人口ボーナスの恩恵をうける新興国に、人口減少に向かう日本はかなわない。

 
 
じゃあ日本の未来、その中でも地方の未来は取り残されてお先真っ暗なのかというと、そうでもない。
 
 
本書で繰り返し強調されるのは、発想の逆転。
 
 
人口減少でさえプラスに変え、若い人が居ない・空き家は増える・斜陽になった産業しかない。そんなハンデを乗り越え、里山でこそ最先端の経済モデルが可能になると説いた書。
 
 
バックウトゥ昭和な懐古調ではなく、できることとできないことに線引きし、できることに特化すれば安心が手に入る地域の姿を紹介している。日本の地方、中でも里山への見方が変わる。
 
 
周防大島みかん鍋が食べたくなった。焼きみかんを入れた鍋が斬新。


お食事(ランチ・グルメ) > みかん鍋 ・・・ 周防大島ドットコム

 
とはいえ食による地域おこしに頼るだけでなく、持続的に安心した暮らしを手に入れるための、知恵もつまってた。
 
 
お手本となるのはヨーロッパの小国オーストリア。石油や天然ガスなどエネルギーの外部依存にサヨナラすることで、持続可能な豊かさを手に入れた「スマートな地域」の姿は、日本でだって再現できそう。真似するのもカイゼンするのも得意な国民性だもの。
 
 
前世紀の衰退産業というイメージの強い林業を核に据え、地域の安定を手に入れようとする日本の、主に中国地方を取り上げていく。
 
 
この本が出版された2013年は、上がり続ける原油価格が生活を直撃していた頃。そのせいもあって、石油やガスなどのエネルギーを外部、ひと握りの産出国に頼る危険性が強調されている。
 
 
2015年1月現在原油価格は急落し、本書で紹介されていた「木質バイオマス」(*木材由来の再生可能エネルギー。)が今現在もどれくらい価格優位性があるのか正直わからない。
 
 
わからないけれど、冬が厳しい北海道という地方に住んでいるので、灯油高による暖房費の値上げは痛かった。それだけでなく、どこまで上がり続けるかわからない灯油に頼る危険性を、ヒシヒシと感じてもいた。
 
 
価格優位性は失っても、原油が上がろうが下がろうが関係ない。外野に振り回されない環境を手に入れれば、安心度も上がる
 
 
成長できなくても、まずは安心が手に入れば、安定まであともう少し。
 
 
地方都市とはいえ、水も緑も田畑も遠く、電気使い放題でしか成り立たない。まさにマネー資本主義がクラッシュした瞬間に成り立たない生活を送ってる身からすると、水と食料とエネルギーが確保された生活は羨ましくもある。それだけあれば、とりあえず生きてはいけるから。
 
 
この本では、マネー資本主義を否定してはいない。お金の有用性を認めつつ、出口を求めた大量の資金が一箇所に集中することで経済システムをクラッシュさせる。そんな危険性のあるマネー資本主義を補完するサブシステムとして、里山資本主義を提案している。
 
 
安心があるところに人は集まる。お金に安心を感じる人はお金に。それ以外のものに安心を感じる人はそれ以外のものに。どちらが有用かではなく、住み分ければいい。
 
 
成長を求めず周回遅れで暮らした方が豊かになれる。日本全国どこにでも通用する処方箋ではないけれど、通用する地域はきっとある。

 

 
ここ北海道の占冠村でも、薪ボイラーとはいえ木質バイオマスによる産業振興が始まっていて、2年前に撒かれた種はすでに芽吹き始めていることを実感した。
 
 
やる気があって才能もある。そんな人はえてして全体最適に敏感で、お金だけでは動かない。やる気のある希少な人材が底をつく前に、早くから取り組んだ方が人にも地域にもきっとお得。
 
 
同じく中国地方の岡山県真庭市にある、あるパン屋さんを取り上げた本はこちら。

『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』読んだ - クローズドなつもりのオープン・ノート

 

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