アマゾンインスタント・ビデオから発掘。ハートマーク連打したいくらいの掘り出し物だった。
死の謎ではなく、マリリン・モンローその人に迫るドキュメンタリー。スクリーンの中のマリリンしか知らなかったので、スクリーン外の彼女の姿が新鮮。やっぱりこの人カワイイ!と惚れ直した。
伝説の女優マリリン・モンロー死後50年を記念して製作された彼女の知られざる人間性に迫るドキュメンタリー。初公開された直筆の手紙・日記・メモに描かれていたのは?50年の沈黙を経て今、ただ真摯に生きた一人の女性像がよみがえる。
ドキュメンタリーは事実を積み重ねていって、事実によって語らしめるもの。(映像作家・佐々木昭一郎氏)
事実によって語らしめるには、こんな手法もあったのか!と驚く、その手法が新鮮だった。
毀誉褒貶あって、私信や書簡あるいは映像なんかがたくさん残ってる有名人。例えば日本の文豪なんかも、同じ手法を使えば面白い作品が出来上がりそう。
どんな手法かは見てのお楽しみで詳しく語らない方がきっといい。ただヒントとして、主演はマリリンだけど助演女優として、グレン・クローズ、マリサ・トメイ、ユマ・サーマン、リンジー・ローハンと、錚々たる顔ぶれが並んでる。
事実を語る語り部もまたアクター。マリリンその人と同じ立場だから、いい。
往年のハリウッドスターの中では、マリリンが一番好き。
同性から見ても、思わず突っついてみたくなる、触れたくなるような肉体美の持ち主なのに、どこか無垢で無防備な感じがするところが好き。セクシーなのにイヤらしくない人って珍しい。
ローレン・バコール目当てで見た『百万長者と結婚する方法』で、その可愛さにノックアウトされた。『紳士は金髪がお好き』、『お熱いのがお好き』と、バカっぽい映画できっちり頭カラッポ役を演じてたところが、とても魅力的だった。
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セクシーで男出入りも激しくて、頭弱そう。自分に課せられたパブリック・イメージを裏切ることなく、影で努力をしていた。その努力が時には壮絶で、劇中の言葉を借りれば「やだ泣けてきちゃう」。
名声と有名税をうまく扱えず、精神的に追い詰められた人。
その最期から、悲劇が起こったのは彼女の資質ゆえ。何となくそんな風に受け止めていたけど、この映画を見て見方が変わった。
名声を得てもなお、彼女は「貪られる」側の人だった。
映画制作サイドやマスコミ、搾取する側から見た彼女と、同じく搾取される立場とでは、見えてくる人間像も、真実も違ってくる。
親しい友人にあてた手紙、日記がわりのメモ。そうした”後世、人の目に触れるとは夢にも思わなかった”だろう、私信があってこそ出来上がった映画。人の目に触れるとは思ってもみなかった、率直で赤裸々な感情が、死後50年経ってもグサグサくる。痛い。
何しろ男運が悪かった。精神的支えとなってた人に、あんな仕打ちを受けたらそりゃたまらんだろう。ジョー・ディマジオとアーサー・ミラーと。結婚する順番、逆だったら良かったんじゃない。そう思えてならないけど、あの順番だったから「マリリン・モンロー」が完成した。そう考えることもできるわけで。ままならなさもたっぷり感じた。
お休みなさーい。