大雪山トレッキングの続きです。
翌日は、朝6時に山岳ガイドさんと落ち合い、中岳(なかだけ)を目指すつもりだったのに、まさかのダメ出し。雪山登山の格好じゃないからと、もっと「初心者向け」のコースに変更となった。
厚手タイツにキュロットスカート、長袖Tシャツに撥水性のアウターと、本人としては相当がんばった山登りスタイルだったんだけど、「雪山なめんな」と却下された。確かに山頂付近だと氷点下に迫る勢いだったので、中岳はまたの機会にということで、初心者向けコースへ。
ロープーウェイの下に広がる自然散策路へ。
鬱蒼と草がおい茂り、一部あんまり人通ってないよねという獣道もどき、でもちゃんとした自然散策路をテクテク歩いた。
人の声がするところに熊は現れないとのことで、終始ぺちゃくちゃとしゃべりながら。
(正規ルートではないところで草が倒れていたら、野生動物が通った後だとか。熊が通った後か、鹿なのか。)
(ガマの穂。この辺りは湿原なので、夏は水芭蕉がきれいらしい。)
エゾワサビの群生。かつて周辺の宿では、この辺りの名物ということでエゾワサビを使った料理なんかも出してたらしいけど、国立公園内に生えてる植物だから、使用禁止になったらしい。
この赤い実は食べられた。名前は失念。甘酸っぱい味がした。
実りの秋のせいか、美味しそうな実がいたるところに。
日光がよく当たるところは、紅葉が鮮やか。
川の中の四角い蓋でふさがれてるところから温泉が沸き出ている。
ここから各温泉にパイプを伝って給湯されてるらしい。
大体1時間くらい自然散策路を歩いた後に朝食、そして場所を変えて天人峡へと移動した。
旭岳温泉とは山ひとつ隔てたところにある天人峡は「柱状節理」で有名なところ。先の尖った柱状節理が7本天に向かってそびえたつ「七福岩」。
柱状節理による奇岩だけでなく、高さ270メートルの断崖を、7段になって岩肌を伝う、「羽衣の滝」でも有名なところ。ただし、羽衣の滝に向かう遊歩道は現在土砂崩れのため通行不能に。
何でも国立公園内ということで、道と国とでどちらが補修を負担するのか、揉めてるらしい。
遊歩道を使わずに滝が見えるところまで行く登山ルートもあり、ほんとはそちらに行ってみるつもりだったけど、あいにく雨が降り出した。地盤がゆるいのか、落石が結構ひんぱんにあるらしく(この日も至るところで補修してた)危険とのことで、羽衣の滝を見るのも断念した。残念続き。
天人峡温泉は、秘湯としても有名なところらしいけど、一番の観光名所である「羽衣の滝」観光に再開のめどが立たず、次々に宿が営業停止へと追い込まれていったらしい。今や営業してるのは2つの施設だけというありさまに。
山ひとつ隔てただけの大雪山の大混雑ぶりが嘘のように、天人峡は静かだった。変なの。
駐車場そばのマタタビの木。
猫にまたたびのあのマタタビ。駐車場も余裕たっぷりだった。旭岳のあの混雑は一体何?と思う程こちらはスカスカ。すぐ近くなのに落差が激し過ぎる。
その他にも樹齢900年の「森の神様」があったりと、見所、観光資源がないわけではないのに。。
(全景を収めようとしたけど全然無理だった。。)
鬼胡桃の実がいたるところにある胡桃沢。青い表皮が剥がれると、リスも大好きなあのクルミが現われる。
結局悪天候なども重なって、この日は大して歩いたわけでもなく。それでも初心者としては十分楽しませてもらった。
北海道の山という山は大体登った(それ以外の山ももちろんだけど)というガイドさんに、どの山が一番好きか聞いてみた。
そしたら、「どれが一番ということはなくて、山なら全て好き。どれか一つなんて選べない」とおっしゃってた。
何十年もガイドとして、仕事としてやってこられた方の、偏愛と博愛に満ちたことばがステキだった。偏愛は博愛に通じて、博愛は偏愛に通じてるから面白い。
ガイドさんと別れた後は、天人峡温泉の立ち寄り湯でさっぱりした後、帰途についた。かろうじて営業してるうちの一軒へ。面白い体験と割り切ってお金払える人じゃないと、ちょっと厳しいような所だった。渓流のそばと条件はいいのに、残念すぎた。でもなーあの混雑した道を戻って旭岳に戻る気はしなかったのよ。。
帰りには、東川町クラフト街道沿いにある『北の住まい設計社』のカフェ&ショップへ。
(夏には白い花をつけていた蕎麦も赤く色づいてた。)
もの凄い雷雨がやってきたので避難してた。素晴らしい田園風景の中、こんな暮らしができるならそりゃステキだわと思う、オシャレなカフェです。ようやく小雨になったので、帰ることに。雨が降ったせいか、靄がもくもくと沸いてきてた。
お休みなさーい、良い週末を。
前日の様子はこちらから。