クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

幻想美術と馬と絶景カフェと

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#Hokkaido

新冠町にある『太陽の森ディマシオ美術館』に行ってきた。
 
廃校になった小学校を利用した私設美術館で、高さ9メートル・幅27メートルにもなる、世界最大の油彩画を見るのが目的。
いやぁでかかった。
 
 
札幌市内から、車で2時間ほどの距離にある新冠町は、サラブレッドの産地として有名なところ。『優駿』とかいう映画にもなった小説もあったね、そういや。

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カーナビを頼りに大体どこへでも出掛けて行くんだけど、今回は高速を降りた辺りでカーナビが現在地を見失いやがったので、若干道に迷ってしまった。
 
 
値引きの代わりにオマケでもらったカーナビなので、時々役立たずなんだよね。海のそばを走っていると、海中にダイブなんてこともやってくれやがるのが、うちのカーナビ。
 
 
ヒグマが体当たりしてきそうな森の中を、ドキドキしながら適当に走った。歩行者どころか対向車の一台にさえ出会わないような、閑散とした道。そのかわり、奴らはいっぱい居たね。お馬さんたち。

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 さすがサラブレッドの名産地。惚れ惚れするほどナイスバディな馬から、駄馬駄馬っとした、一見どんくさげな馬まで。よりどりみどりだった。

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(この子は非常に人懐っこかった。君も人恋しかったのかい。。)
 
 

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(干し草ロール。帰りに通りかかったら位置が変わってたので、人は居た模様。)
 
田んぼは黄金色に染まり、収穫を待つばかりになってた。

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夏の青々とした田んぼも清々しくていいけど、秋の田んぼもきれい。風で波打っていると、ちょっと感動する。

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ただし近寄ると危険。害獣、鹿やイノシシでも出るのかもしれない。
 
 
馬や田んぼといった、のどかな田園風景を抜けた先に待ってた『太陽の森 ディマシオ美術館』。廃校になった小学校ということで、もっとワイルドな建物を想像してたのに、実物は意外と可愛らしかった。

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 しかし、のどかな田園風景に囲まれた、可愛らしい建物の中でご対面するのが、どこか魔術的な香りのする幻想絵画の数々。芳香剤きつめなこともあって、なんだかクラクラした。
 
 
ジェラール・ディマシオは、フランス幻想絵画の巨匠として、高い評価を受けている画家とのこと。

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この美術館にある200点にも及ぶ作品のどれもが、神話からヒントを得たような、不思議で魔術的な、どこにもないような世界を描いてた。
 
”自分が描き出したいのは、未来における過去のイメージなのだ。たとえば1万年後の世界を、2万年後の人間になったつもりで追想したイメージとでもいおうか。その中で明るい希望と、暗い予感の両方を探ってみたい”
 
角が出ていたり、どこか恐ろしげでグロテスクな怪物を描きながらもトーンは明るい。その一方で、美しい女性を描いていても、その片隅には陶片のような破片が舞っていて、崩壊の予感を感じさせたり。

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(館内は自由に撮影してもよかった)

一枚の絵からいくつもの物語が生まれそうで見飽きない。見飽きないけど、長く見ていると魅入られそうで、居心地の悪さを感じてしまう。そんな絵だった。
 
おまえが長く深淵を覗くならば、深淵もまた等しくおまえを見返すのだ。
 
この美術館が元小学校で良かった~。

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魅入られそうで頭クラクラきても、もと音楽室ですか。。子どもの数少なかったのね、4年生と5年生合同だったということは。と、一瞬で元の世界に戻ってこられるから。
 
 
世界最大の油彩画は、もと体育館だった部屋の中に。

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もと体育館の壁一面が絵になってる。でかっ!
 
 
おまけに絵の四方は鏡張りになっているせいで、実物よりも大きく見えるように工夫されている。

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(ひとつしか書かれてない目が、鏡張り効果で4つ目に見える。)

鏡張り部分を見ていると、三半規管が誤作動をひき起こすのか、非常にクラクラきた。
 
 
明朗快活コドモダマシ好きには、やや刺激がきつかった。
 
クラクラきた頭をクールダウンするのにちょうどよい、コンセプト不明な彫刻群。謎や。。

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教室として使われていた建物はちゃんと手入れされているけれど、かつてプールだった建物は荒れ放題になっていた。

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(平成4年築だから結構新しい)

手入れしないと、あっという間に荒れちゃうんだね。。

長くなったので、絶景カフェ編は別エントリーで。

 

お休みなさーい。

 


北海道新冠町 太陽の森 ディマシオ美術館