クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

『サンシャイン 歌声が響く街』を見てきた。

少し前だけど、『サンシャイン 歌声が響く街』を見てきた。

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スコットランド版『マンマ・ミーア!』誕生、笑顔と涙と喜びに溢れた、家族の物語。

 
というキャッチコピー通り、歌って踊る、スコットランドの地方都市リースへのラブレターともいうべき映画だった。
 
 
リー スに住む結婚25周年を迎える夫婦のもとへ、アフガニスタンでの兵役を終えた長男が帰還。長男の親友である、長女のBFも同じく無事に帰還する。夫婦の銀 婚式を祝うパーティも開かれ、おめでたムードに包まれた一家に、夫の不貞という家族の絆をゆるがす事件が発覚する。家族は再び一つになれるのか。
 
これ、リースやリースと同じような都市出身の人が見たら、そうとう気持ち良くなれる映画だと思ったんだよね。
 
 
歌って踊ってるシーンは楽しいし、一緒にハミングしたくなる。大団円で終わって気持ちがよくなるよう作られた映画だから、ストーリーに奥行きがないとか、ケチつける方がケチくさく見える。
 
 
そんな映画だったんだけど、スコットランド素晴らしい!という、プロパガンダとしても良く出来てたなーと今になって思う。
 
 
まずリースの街が美しい。フォトジェ二ック、リースが最もきれいに見える場所を選んで撮影してるので、リースの街、きれいねーとうっとりできる。
 
 
長男は兵役に従事し、帰還後はコールセンターで働いてる。長女は看護師・医療職として働き、お父さんの職業は不詳だけど、お母さんは美術館スタッフ、公的・ 文化的機関で働いてる。地方都市の中産階級としては典型的で、日本人が見ても、隣の佐藤さんちの話みたいで、感情移入が容易な設定になってる。
 
 
地方に残ろうと思えば、医療職や公的機関への就職の方が現実的な地方事情は、国が違っても大して変わらない。クリエイターみたいな横文字職業の人は、あんまり出てこなかった。
 
 
医療職は広い世界へのパスポートでもあって、手に職があれば簡単に移動できることも織り込み済み。
 
 
お父さん何やってるのかわかんなかったけど、住んでる所も暮らしぶりにもわりと余裕が見られる。
 
 
そして、家庭的に恵まれず、兵役に従事せざるをえない、手に職のない若者の声は悲痛だった。
 
 
スコットランド、最近騒がしいです。
9月18日の住民投票で、イギリスから独立するかどうかが争われることになってるので、イギリス国内が揺れてる。
 
 
北海油田というエネルギー資源をおさえている・一次産業である漁業が盛んなど、独立しても経済的にやっていけそうというのが、独立の根拠になってるみたい。
 
 
スコットランド、もともとイギリスとは別の独立した王国だった。
 
 
歴史がある、つまり住民にはそれなりの資産があって、これからもやっていけそうな資源もある。
 
 
イギリスに「押しつけられる」政策、国防費に多額の税金負担させられるくらいだったら、自領域内の福祉、例えば「若者の貧困撲滅」にお金使いたいと思ってる、という解説もあった。
 
 
経済的に本当にやっていけるのか、誰にも確たることはわからない。
前例がないことに挑んでるんだから。
 
 
ロジックで説得できる部分が限られていたら、あとは感情に訴えましょうと、感情面からの取り崩しをねらったのかなーと、いちエンタメ作品を汚れた大人の目で見てしまった。
 
 
当分渡航することないけど、パスポートと通貨が今後どうなるのか心配してる。
 
 
もしも独立 → EUに加盟 → ポンドからの離脱なんてことになったら、どうなるのかなーと。
 
 
法的に空白期間ができたらマズイものの詳細が見えてこないから、何ともなんだよね。直近で国際会議開催するような機関があれば、担当者、相当気を揉んでそう。
 
 
ロイヤルバンク・オブ・スコットランドは、もし独立となったら、業務の一部をイギリスに移すとしてた。
 
 
同会社内での支店間取引だったら、ある程度どうとでもなるのでイレギュラー処理も可能なんだよね、最悪。
 
 
法的や手続きに空白があれば一歩も前に進めない、国際業務関係は著しく滞って、最悪事態が沈静化・平常化するまで国際社会からスルーなんてことも普通にありそう。その辺も織り込んで、独立へのアジェンダ作ってるのか。
 
 
その辺りが、眺めてる分には一向に見えてこないのよね。
見えてもどうってことないんだけど、理念立派、中身スカスカあるいは出たとこ勝負で白紙。そんなので歴史が動いてたら腰抜かすので、どうなるのか成り行き見守ってる。