クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

『京都妖怪地図』というものがありまして。

妖怪ウォッチが相当人気みたいで、どこかの道の駅的なお店でも、お土産グッズとして大量に売られてた。

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妖怪ウォッチ体操第一は意外とハードで、いいストレッチになりそうとトライしたみたけど、一回で挫折した。妖怪のくせにというか、さすが妖怪というべきか、彼らの運動能力は高い。。
 
 
「妖怪」がやたらと連呼された今年の夏、そういや『京都妖怪地図』なんてものがあったなぁと思い出した。わかる人にしかわからないネタ。川口浩探検隊がわかる人なら、わかると信じてる。
 
 
こういう時にWikiはほんと便利。
『京都妖怪地図』は、土曜ワイド劇場で夏になると不定期に放送されていたテレビドラマシリーズで、何がすごいって、タイトルがすごかった。
 
 
・嵯峨野に生きる900歳の新妻
・きらら坂に住む400歳の氷女
・烏辺山に棲む800歳の女子大生  
などなど。
 
 
次回はどこが舞台になって何歳の妖怪が登場するのか。そこばっかり楽しみにしてた。1200歳と1000の大台を超えた時には、密かに感動してた。1000歳超えちゃったよ、どうすんだよ、次の人困るよと思ってけど、そこで打ち止め。
 
 
千年の歴史しかない京都が舞台なだけに、千を超えた次はさすがになかった。
 
 
テレビでは妖怪がテーマのドラマや怪談番組が放送されて、月刊誌的な雑誌でも、8月ともなれば「怪談」・「ホラー」で溢れてた。
 
 
夏らしいと言えば夏らしい光景で、深く考えもしなかったけど、あれお盆だからだよね。あの世に行ったご先祖様が、この世に戻ってくると考えられてたお盆期間は、異界の人との邂逅も、あったっておかしくない。そうした昔ながらの風習を、現代風にアレンジして見せていた。
 
 
妖怪の年齢と、やり過ぎ感に溢れたメイクにばっかり気を取られてた『京都妖怪地図』シリーズ。実は上田秋成の『雨月物語』が原案だったりと、遡れば大変立派なルーツを持っていて、そっちの方が驚きだった。
 
 
適当に作ってたわけじゃないのね。。
 
 
今ならまだ、お盆といえばお墓参りして、迎え火炊いて、灯篭流しして。お墓参りにはナスやきゅうりで作った精霊馬持って行ってと、お盆にすべき10のことみたいな知識が共有されてる。
 
 
伝統を伝えるのも伝言ゲームみたいな側面がある。
このまま東京がロンドン並みにグローバルシティ化していって、純日本人比率が都内の人口の過半数割るようになった頃には、「お盆?ナニソレ?ナスやきゅうりでアート作る日のこと?」みたいな扱いになってるかも。
 
 
『呪いと日本人』という本を読んでて、「呪術は技術で、支配のためのテクノロジーだった」というくだりが面白かった。最も興味深く読んでるのは、「呪い」を祓う方法だけどね。
 
 
技術なんだから、解呪の方法を心得ているところまでがワンセット。扱いに習熟した者だけが支配の道具として、権力者に重用されていたとも。
 
 
伝統の伝え方も、伝統を伝えるのにもっとも適した方法・テクロノジーを備えたやり方と、そのテクノロジーによって伝えられたものだけが、次の世代に引き継がれていくのね、と。
 
 
ということで『京都妖怪地図』、動画で見れるようになる日が来るのを待っている。
 
 
お休みなさーい。