クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

『「好き嫌い」と経営』読んだ。

雨が降ってたせいで、肌寒い一日だった。勝手に夏休みの読書感想文企画をたてて実行中。今週は読書感想文多めをめざしてる。

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14名の経営者がその人個人の「好き嫌い」を語った、『「好き嫌い」と経営』を読んだ。
 
 
この本に登場する経営者の方々は、今や日本を代表するといっても過言ではない会社を経営されてるみなさま。ファーストリテイリングサイバーエージェント、ローソンetc.etc.
 
 
日本を代表する会社となったけれど、明治の昔から続く歴史ある会社とは違い、言ってみれば新興企業。組織を拡大するにあたって、経営判断を何度も求められたに違いない、コトを成し遂げた方々の語る「好き嫌い」、とても面白く読めた。
 
 
トップバッターだけあって、日本電産の永守氏の章は強烈だった。コトを成し遂げるにあたっての、退路の断ち方がすごかった。
 
 
その辺の一般人の好き嫌いと違って、経営者の好き嫌いの表明は、時に背負ってる組織や関係する人全ての生活をも左右しかねない。より多くの人に影響を及ぼしかねない、プレッシャーのかかる場面での判断の源泉。
 
 
そこにトンデモナイ言説が並んでたらどうしようとも思ってたけど、いたって普通だった。
・つるむのが嫌い
・どっちつかずのものはイヤ
・挑戦が好き
・駅前サウナが大好き
いたって普通の好き嫌いをお持ちなんだけど、そうした好悪で組織を回せるほど、世の中単純にはできてないはず。
 
 
好悪と善悪が対立するような場面、あるいは正しさと正しさがぶつかる場面をどう乗り切ってきたのか。一般人よりも圧倒的に判断の回数が多かった人が語るから、面白い。
 
 
この本、これから就職する人が、その会社の雰囲気をつかむ参考書としても、いいんじゃないかな。
 
 
その会社の偉い人が、何をして過ごしているのか。好き嫌いを語る時に表れる、会社での時間の使い方、プライベートタイムの過ごし方。そこには端的にその会社の企業文化が表れているので、きっと参考になると思う。
 
 
偉くなることは、イコールはんこマシーンあるいはサインマシーンと化して、ひたすら決裁書類を決裁していくだけ。あるいは接待ゴルフ漬け。なんて会社も、未だにあるから。
 
 
生涯プレイヤーでバリバリ働きたい願望がある人が、偉い人がはんこマシーンとなってる会社に入るミスマッチも減りそう。
 
 
先日小学生女子が言ったとされる、「セコイことも出来てこその大人」発言を聞いて、頭を抱えそうになったことがある。真偽は定かではないけれど、確かそういうニュアンス。ついでに、「だってみんなそうだから」と来たら、相当言葉を無くす。「セコイことをしなくても済むようになるのが大人」だと思ってたから。
 
 
この本の最終章では「なぜ好き嫌いなのか」を著者が解説してる。
 
 
「盗みはいけない」は普遍的な価値観で疑いの余地はないけれど、「セコイことも出来てこその大人」発言は、普遍的とは言えない。
いいか、悪いか。文脈や状況にもよるので、即答できない。「正しい」「正しくない」のどちらを選んでも、その考えが通用する範囲は限られる。
 
 
限られた人にしか通用しないものが文化で、文化はローカルと説明されていて、非常に納得した。迷った時、これは使える。
 
 
ついでに、好き嫌いは文化に通じて、良し悪しは文明に通じるも、
好き嫌いで判断することが多い身としては、耳に痛いところでもあった。
 
 
文化が文明に昇華する、その狭間。見える人には見えたのかなとか考えながら読み返すと、さらに面白い。
 
お休みなさーい。
「好き嫌い」と経営

「好き嫌い」と経営

 
「好き嫌い」と経営

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