クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

『広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい』読んだ。

湿度90%超、雨が降っても100%にならないところがむしろ不思議な、雨模様の一日だった。赤いポピーの造花で埋め尽くされたロンドン塔は、まがまがしいような美しさ。ニュースで見かけただけなんだけどね。

http://instagram.com/p/rPLeKuO1E8/

#flower

『広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい』読んだ。
 
アナと雪の女王、ハロウィン、マラソンブーム、LINE、ことりっぷ、ネスカフェアンバサダー・・・マス広告やメディア露出なしでもヒットは生まれる!? 
 
冒頭、「テレビや新聞・雑誌といったマスメディアに取り上げられることや、大量の出費を出して多くの広告枠を買うこと。それ自体によって人を動かせると思ったら、それはもはや過去のものであり、そうしたことはもうあきらめたほうがいい」といきなり断言してる。
 
 
映画・食品・家電などなど。新製品が発売されると、人通りの多い繁華街などにはどどーんと特設コーナーが設けられ、お揃いのユニフォームを着たスタッフが一生懸命新製品をアピールしてる。
 
 
あるいは映画やドラマのスタートに合わせ、朝から晩までテレビ番組まわりをするタレントさん。電車内や大通りを埋め尽くす大きな商品広告。そうした光景は新製品発売時にはすでにお馴染みのもので、最近だとブログやSNS内でも同じ文字列のシャワーを浴びる羽目になる。
 
 
そうしたものに刺激されて何かを買ったりするかといえば、「ふーん」で終わってるんだよね。新製品慣れ、あるいは新製品プロモーションずれしてるから。購買意欲に全く結びついてない。でもあれ、きっと相当なお金がかかってる。
 
 
お金もかけてる。メディアでの露出も多い。なのに、商品のヒットとは結びつかない。派手にプロモーションしてた割に、発売から半年もすればもう忘れられてる。
 
 
「あーそんな商品あったよね」と言ってもらえればラッキーな方で、「そうなの?そんなのあった?」と言われるようなものも相当多いはず。
 
 
情報過多時代の物の売り方、人の動かし方を3つのパート+あとがき2つで解説した本書を読んで、現在みたいな情報過多時代にヒットを生みだすのは、つくづく大変なことなんだと知った。
 
 
ヒットしてたら、「あーなら私買わなくてもいいか」と思うから。頭に「ヒット中!」「流行中!」とついてたら逆に買わない人、案外いるんじゃないかな。
 
 
じゃあ、あんた一体何買ってるんだと言われれば「好きなもの」買ってる。好きなものが流行ってたら、「私はファンですから」と思いながら買ってる。
 
 
小手先のテクニック駆使してヒットを生む。それだって相当難しいことには違いないんだけど、ヒット狙いで試行錯誤するよりも「ファン」を増やした方が結局は確実なんじゃなかろうか。読みながら思った。
 
 
どうやってファンを増やすかもテクニックの問題だけど、少なくとも札束ではファンは育たないので、お金なくてもできそう。
 
 
札束で買ったファンは、お金出した人や物じゃなくて、お金にロイヤルティ捧げてるから。新しく札束で頬撫でる人が現われたら、きっとそっちへなびいて、ファンでなくなる。
 
 
「シャープ・パナソニックソニーの凋落を、広告人や広告会社はもっと恥じるべきじゃないかな」
 
 
本書の中で、一番なるほどと思ったのはこの部分。熱心なファンの存在があれば、もっと状況は違ってたのかも。
 
 
広告やプロモーションとは全く縁のない世界に住んでいる、在野(というよりむしろ荒野?)の暇人からしても、人を動かすことの難しさがよくわかった。だからこそ「動かないはずのものが動いた」時のダイナミズムや面白さが病みつきになる部分でもあるんだろうな、と。(1472文字)
 
 お休みなさーい。