クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

恋人がサンタクロース

今朝窓のカーテンを開けると、別世界がひろがっていた。景色一変。とうとう本格的な冬がやってきてしまった。冬眠したい。。。

 

クリスマスソングの大定番となった『恋人がサンタクロース』。リリースからもう30年以上たってるのに、今ぐらいのシーズンになると、やっぱりどこかで耳にする。色んな人がカバーしてるから、よく知ってる曲なのに、聞くたびにどこか新鮮。

 

バブル楽しかったなーって言うと、四方八方から槍や石礫が飛んできそう。その「楽しかった」を探っていくと、必ずぶちあたるのがこの曲なんだよね。

 

中学3年生か高校1年生か、その辺の年頃に、繁華街を抜けた先にある塾の冬季講習に通ってた。クリスマス・イブのその日も、クリスマス当日の次の日も朝から講習で、クリスマスなのにつまんないねーって友達と文句言いながら、駅まで歩いてた。まぁまぁ遅い時間、19時とかそんな感じ。駅から塾まで徒歩で15分から20分くらいかかる。繁華街を抜けるのが一番の近道なので、その日もそうしてた。

 

時はバブル、しかもクリスマス・イブ。時間は19時前と、待ち合わせのピークだったんだろうね。男性はぴしっとしたスーツ姿、女性はめいっぱいお洒落しましたって感じで華やかに装って。そんな感じのカップルをあちこちでみかけた。しかも高確率で、男性が花束抱えたりして。見慣れた繁華街が、そのときほど華やかに見えたことなかった。

 

それまで、「花束持って街角に立つ男性」なんて見た事なかった。そんなの映画やドラマの中だけでしょって思ってた。ところが、映画やドラマの中だけでしょって思うような人達が、その辺にうじゃうじゃいたんだよね。「どうしたことだ、これは!?」「これがクリスマス・イブってもんですか」「すごい、すごい」。友達とはしゃぎながら、駅にたどりつくまでに、一体何組の「花束持ったカップル」に会うか、数えたりしてた。恋人がサンタクロースって、こういうことなんだね、いいね、楽しくなっちゃうねって言いながら。

 

大人っていいな。かっこいいな、素敵だなって。あの時ほど思ったことなかった。

 

多分その後は、二人でどこかに美味しい物でも食べに行くんだろうね。プレゼント交換なんかもするんだよね。素敵なレストランや、恋人に喜んでもらえるようなプレゼントを、自由に選べる大人の財力ももちろん魅力的だった。

 

でもそれよりも。めいっぱいカッコつけたり、きれいに装った自分を見せたい相手がいる。その姿が一番素敵だった。特別な日に、そんな風に誰かを待つ人になりたい、誰かに待っていてもらえるような人になりたいって思った。

 

とはいえ大学生になったらなったで、大抵クリスマス近辺って「時給高い」から、バイトに負けてた。社会人になりたての頃は、仕事に振り回されてお互いそれどころじゃなかった。大体バブルも崩壊しちゃったし、失われた20年に突入して、「お家でほっこり」路線が主流になっちゃったから、結局絵に描いたようなクリスマス・デートには縁薄かったかも。

 

今は好きなように描いたイラストに、自由に歌わせることのできる時代なんだから、ユーミンが歌姫だった時代とは違う。

 

リアルはリアル、虚構は虚構。そんな風にすっきりはっきり分かれてなくて、もう混在しちゃってる。「花束持って街角に立つ」のが難しい、サンタクロース並に多忙な人も、そもそも相手が。。なんて人も。そうでない人にはそれなりに、リアルの経験だけが絶対じゃない、いろんな楽しみ方が用意されるようになったんだから、いい時代になったじゃん。

 

お休みなさーい。