クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

イノダコーヒーとおじさん

今日も寒~い一日。週末にかけて気温上昇しそうなので、ちょっと嬉しい。この寒さが続くと、肩凝りひどくなりそうだったから。寒いとキュッと縮こまっちゃって、変に身体こわばってくるんだよね。運動せねば。

 

近頃は滅多に会うこともない叔父が、九州に居る。定年退職後は暇を持て余していて、月に一度の割合で、故郷である京都に遊びにきてるらしい。

 

たまたま帰省のタイミングが合ったり、冠婚葬祭で顔を合わせた時には必ず、「イノダコーヒー行こ。イノダコーヒー。」ってイノダに連れていかれる。この叔父さん、イノダコーヒー大好きなんだよね。

 

「好きなもの何でも頼め」って気前のいいとこ見せてくれるんだけど、でもさ、喫茶店で、しかも大抵は食後だし。大した量が食べられるわけでもないんだよね。

 

「おっちゃん、ほんまにイノダコーヒー好きやな」。なかば呆れながらそう言うんだけど、「せや。こういう店は、今住んでるとこにはあらへんからな。どこにでもこういう店はあるもんとちゃうんやで」って。返ってくる答えも毎回同じ。叔父さんが好きなのは、フルーツサンド。叔父さんだって食後でお腹いっぱいだから、「これも食え」って結局は私達姪のお皿に横流ししてくる。

 

レモンメレンゲパイ。アップルクーヘン。イノダで出てくるお菓子はどれも美味しいんだけど、洗練され切ってない、どことなく普段着の素朴な美味しさでもあるので、確かに「どこにでもこういう店はあるもんとちゃう」のかも。

 

従姉たちと額突き合わせて、何にするー?と一応は相談するものの、私が頼むのは大抵「ラムロック」。ラム酒をたっぷり染みこませたチョコケーキのチョコがけ。

リコッタさん(id:cedrus)の所で見た弾丸ラムボールや、まめさん(id:mame90)の所で見た上島珈琲の上品なラムボールと違って、何しろロック(塊)だから、見た目からして無骨。

 

お味の方も、ラム酒しっとり大人の味というよりも、かなり暴力的にラムとチョコの味。このケーキが世に出た昔は、禁酒法時代みたいに酒やチョコのような嗜好品禁止令でもあって、それでケーキが作れるかーっ!て俺様な道を行くパティシェが魂を込めたのかも。何しろロックだし。

 

そんな来歴が、あってもなくても美味しいものは美味しいので、砂糖無しミルクコーヒーと一緒にラムロックを味わう。叔父さんの話聞きながら。

 

定年して、「これで最後」という新車買って、あちこち車で出掛けるのを楽しみにしてる、アクティブシニア。ほとんど孫のお守りカーとして活躍してるらしいけど。

 

季節がいい時には、ドライブには最適な場所に住んでるから、「遊びに来てよ」って水向けるんだけど、「まぁそのうちな」ってイマイチ煮え切らない。おじさんは、何しろもういい歳したおじさんだから、あんまり知らない場所に行くの面倒なんだよね。「イノダもあるよ」ってダメ押ししたら、「それは行かなあかんなー」ってちょっこっと前向きになる。

 

メールも電話も、すれば喜ぶくせに、自分からはなかなか連絡してこない。

面倒くさがりだし、意外と恥ずかしがり屋だし。そこがイノダコーヒーでなくても、「来たよー」って言えば、「そうなのー」っていつもみたいにおじさんの話聞くのにね。何しろ姪だけあって、私も相当な面倒くさがりなので、「そのうち」はなかなか実現しないんだけど。

 

イノダコーヒーも、お店によって時々メニューが違うんだよね。全店制覇したわけじゃないけど。

 

お休みなさーい。