クローズドなつもりのオープン・ノート

~生きるヨロコビ、地味に地道に綴ってます~

シネマ歌舞伎『歌舞伎NEXT阿弖流為<アテルイ>』見てきた

いくらワンピース歌舞伎が面白いと評判でも、地方都市カンケーないし┐(´ー`)┌ 

どうせ東京だけのお楽しみでしょと思ってたら、そのうち地方都市でも見られるようになるらしい。シネマ歌舞伎に姿を変えて。

 

月イチ歌舞伎の第一弾、『歌舞伎NEXT阿弖流為アテルイ>』見てきた。

 

アニメからエンターテイメントに入った人にも、優しい作品

ワンピース歌舞伎と同じく、オリジナル脚本による新作。はっきりいって、ものすごーく面白かった\(^o^)/ 月イチ歌舞伎の第一弾だけあって、気合入りまくり。

 

市川染五郎×中村勘九郎×中村七之助と、これからの歌舞伎界をしょって立つ、スーパースターのそろい踏み。エンターテイメントとしての歌舞伎の面白さを、これでもかと詰め込んでた。


6/25公開!シネマ歌舞伎『阿弖流為〈アテルイ〉』予告編

あらこれ市川猿之助スーパー歌舞伎みたい。京都の南座で『三人吉三』や『藤娘』くらいは見たことがあり、歌舞伎ってこんなもんでしょという知識があってもびっくり。思い込みを、きれいに裏切ってくれる。

 

めいっぱいエンターテイメントに振り切った作品。退屈する間もなし。主役を演じるのは若手の3人だから、伝統芸能とは思えない元気のよさで、舞台の上を動き回って、走り回る。

 

1回の舞台3時間で、何キロ体重落ちるのか聞いてみたい。若さっていいな、体力あるな。アクションシーン満載で、チャンチャンバラバラやってる。

 

阿弖流為といえば、大河ドラマや小説にもなっている、実在の人物。北の蛮族の国、蝦夷の軍事的指導者。大和の敵。『歌舞伎NEXT阿弖流為アテルイ>』では、北のオオカミ・阿弖流為染五郎が、都のトラ・坂上田村麻呂勘九郎が、二人の英雄と因縁を持つ謎の女・立烏帽子を七之助が演じてる。

 

蝦夷に立烏帽子だから、遠くかすかにジブリの影も見え隠れする。神様なんて、まさにジブリっぽい。だから、歌舞伎が初めてでもきっととっつきやすい。アニメからエンターテイメントに入った人にも、優しいんだ。

 

連続ドラマ6回分を1回の舞台に詰め込んだかのような、超濃厚なストーリー

朝廷に抗い続ける蝦夷の長・阿弖流為は悪か、それとも民を守る正義か

古き時代。北の民 蝦夷国家統一を目論む大和朝廷に攻め込まれていた。そこに、かつて一族の神に背き追放された阿弖流為が、運命の再開を果たした恋人 立烏帽子と共に戻り、蝦夷を率いて立ち上がる。

一方、朝廷は征夷大将軍に、若くとも人望の厚い坂上田村麻呂を据え、戦禍は更に劇化していく。戦いの中で、民を想うお互いの義を認め合いながらも、ついに2人が決着をつける時が迫り来ようとしていた。

歌舞伎NEXT阿弖流為アテルイ>公式サイトより引用)

3時間によくおさめたな!と感心するほど、濃いストーリー。北のオオカミと都のトラ。ヒーロー二人が最強の座をめぐって戦うだけでなく、それぞれ裏切りや罠にはまって窮地に陥ってくれるからハラハラ。

 

二人ともいい人でイケメン設定なんだけど、イケメンだからといって、運命の女神はたやすく微笑まないところがいい。そこに謎の女・立烏帽子も絡んでくるから、ますますややこしくなって、ワクワクできる。

 

ややこしいけれど、そこはやっぱり舞台で歌舞伎だから、映画とはまた違ったストーリー運びで、時にはバッサリ枝葉をとっ払って単純化早戻しできないからな。。

 

誰にでもわかりやすくに徹しているから、時には舞台上のキャラが観客に変わってツッコミも入れる。「なんでそこに熊がいるのよ!」と。歌舞伎なんだけど、熊Σ(・□・;)(←ほんとに熊、まごうかたなき熊だった)も出てきてびっくりさ。

 

バイプレーヤーもいい味出しまくり。脇を名優が固める豪華な布陣

キャストが花道を駆けまわり、時に奈落が落ちるのは、舞台ならではのお楽しみ。ライブで見れた人が、やっぱりうらやましい。

 

うらやましいけれど、シネマ歌舞伎ならではのお楽しみは、なんといってもセリフの聞き取りやすさ。歌舞伎と普通の現代劇と。見比べた時に気になるのは、セリフが聞き取りやすいかどうか。舞台で鍛えた人は、発声と滑舌がいい。

 

歌舞伎役者のみなさんは、それぞれ子供の頃から鍛えてる人ばかりなので、なにしろ基礎がしっかりしてるんだ(偉そうでスイマセン。。)。アクション多めでも、セリフが乱れない。音声を拾ってクローズアップしてくれるシネマ歌舞伎になると、ますますセリフが聞き取りやすくなってるから、ストーリーも追いやすい。

ついでに、ここぞと見得を切る場面でもクローズアップ。よい隈取が取れそう。。と、うっとりできた。

 

坂上田村麻呂の姉にして、都の女狐と呼びたい煮ても焼いても食えそうにない女、御霊御前を演じた市村萬次郎の声のよさにもうっとり。歌舞伎では、声がいいかどうかがとっても重要。

 

そして、とことん「生き意地の悪い男」蛮甲を演じた片岡亀蔵!!!熊を嫁にもつだけあって、最初から最後まで予測のつかない行動で、舞台をひっかきまわしてくれる。こういうトリックスター的キャラが、生き生きと活躍するストーリーだから、ややこしくて面白いんだ。

 

チャンチャンバラバラやってても、すごーく嘘っぽい戦闘シーンだから、単なるフィクションとして楽しめる。

トーリー上必要とはいえ、リアリティあふれる映画の戦闘シーンは、現実のテロや戦争をオーバーラップさせるから、お腹いっぱい。嘘くさいぐらいじゃないと、もうフィクションとして消費できないくらい、テロも戦争も身近になり過ぎた。

 

どこをとってもリアリティのないストーリーを、肉体を駆使してリアルな役者さんが演じるからいい。オペラグラスなしでも、飛び散る汗までしっかり確認できる。

 

不満といえば、3時間の上映で、休憩時間が10分しかなかったことくらい。劇場のように、優雅にお弁当タイムとはいかないところが残念だけど、その分チケットが安いからしょうがない。3回以上観ると決めてる人は、3枚セットにするとさらにお得。

 

月イチ歌舞伎は、伝統的な演目と新作を織り交ぜながら、今後も続く。7月は、野田秀樹が脚本・演出の『野田版 研辰の討たれ』。今度は上映時間も1時間半ほどと、とっつきやすそう。

www.shochiku.co.jp

 

お休みなさーい。

ラベンダーの向こうに見えるあれは、頭大仏。真駒内滝野霊園に行ってきた。

真駒内滝野霊園といえば、モアイ像のある面白スポットとして一部では有名。このたび、モアイ像やストーンヘンジに加え、新たに「大仏」も追加されたということで、見に行ってきた。

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 真駒内滝野霊園があるのは、札幌市南区。がっかり名所の札幌時計台から距離にして20km、時間にして車で約40分ほどの行程なので、気軽に出かけられる。

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芸術の森美術館を通りすぎることしばし。真駒内滝野霊園の周囲はゴルフ場ばっか。鬱蒼とした緑の中を進んでいくと、唐突にモアイ像が現れる。

 

そしてモアイ像の向こうに、何かが見える。

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にょにょん。

 

ラベンダーの向こうにのぞくのは、「頭大仏」。一応礼拝施設ではあるんだ。頭大仏拝観用の駐車場に車を停めて、さらに近付いてみる。

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ラベンダー以外のお花畑も造成中。これからきっと、極楽浄土な景色へと変わっていくものと思われる。

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お花畑の向こうには、安定のモアイ像。もう驚かなくなったけど、初めて見る人ならきっとお腹抱えて笑える。

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もう一枚、ラベンダーの向こうのモアイ像。天国への階段を一段登ったかのような、ピースフルな景色。

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礼拝施設らしく、神獣がお出迎え。神獣の向こうには、ストーンヘンジが見えている。やたらと石像が多いけど、もともと南区は札幌軟石の産地。石像や墓石とは相性よしな土地柄と思えば納得する。

 

実はこの「頭大仏」を安置した「頭大仏殿」は、建築家の安藤忠雄氏によってプランニングされたもの(注:設計とはどこにも書いてないんだよね)そのせいか、近寄ってみると大変スタイリッシュな空間なんだ。

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正面からは大仏様のお顔が見えないように、絶妙に計算された配置。アプローチという名の参道を進んでいくと、水庭に出る。

 

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公共建築×安藤忠雄で探したら、どこか他にもありそうで、デジャブ感あり。とはいえ、穏やかな水の流れを見ていると、天国への階段をまた一段登ったよう。

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落ち着く。

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このトンネルの上がラベンダー。建築に興味がある人が見に来ても面白いんじゃないかな。

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ようやく大仏様とご対面。後光が差して見える、ありがたや。

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参拝料という名の何かは徴収してなかったけれど、“お志“として300円ほど払ってくれたら嬉しいとのことだった。経営主体は公益社団法人なので、色々と奥ゆかしい。

 

アタシ、ラベンダーの香りに包まれて眠りたいわーとか。

安藤忠雄氏プランニングの大仏殿に見守られるのも悪くないとか。

 

死んだ後も何らかの差別化を求める人には、何かとよろしんじゃないでしょうか。戒名による差別化より現代的。

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鹿とモアイ。

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ストーンヘンジ。嬉し気に写真撮ってみたけど、永代供養墓が併設されていた。

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好評発売中。

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敷地にはまだまだ余裕あり。次はピラミッドでも作るのだろうか。

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ラベンダーは咲き誇り、空はどこまでも青く広く続いてる。

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ばかげて広い霊園で、曲がるところを間違えたら行けども行けども墓。近頃の墓についてのトレンドを、ひと通り学習できた。知られざる市場ものぞき見たって感じ。

 

お彼岸ともなれば、大渋滞となるエリア。何気なく通りすぎてた国道453号線沿いで、ジェラート屋を発見。食べログでも見たことのあるお店の名前。狭いけど、イートイン・コーナーもあり。

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地酒屋さんによるジェラート屋さんゆえに、ラム酒を使ったラムレーズンが食べて見たかったけど、しっかりアルコールが入っているので断念。

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ブルーベリーミルフィーユとヘーゼルナッツ(多分そのはず)。どちらも、乾いたのどに嬉しい美味しさ。うまうま。

www.karinju.com

店内は薄暗く、お酒に配慮したちゃんとした地酒屋さんって感じだった。珍しいお酒もあり。あぁラムレーズンが食べてみたかった。。

 

お休みなさーい。

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